Goodreadsの“ディス”削除方針で議論沸騰(♥)

goodreads1ソーシャルリーディング・プラットフォームの Goodreads は9月20日、本の書評ではなく著作者(の言動や人格)を取上げた投稿を警告なしに削除することを発表した。“著者いじめ”と戦う姿勢を明確にしたものだが、一部から“検閲”、“著者甘やかし”との非難を浴び、会員離れも始まるなど、ソーシャル・サイトならではの問題に直面している。 [全文=会員] 9月30日まで一般公開。

“著者いじめ”と戦うGRの姿勢を読者は受け入れるか

hateGoodreads(GR)は、本の内容と無関係でもっぱら著者の言動を問題にした、ユーザーによるレビューと本棚(本のコレクション)を撤去することを投稿指針の改訂として発表したのだが、これに対して数日間で3,000件以上のコメントが寄せられた。ほとんどが反対を表明したものだ。(1)検閲、(2)無警告の削除は不当、(3)読者を挑発する著者を甘やかす、(4)発表方法が不適切、といったものだ。GRは、これがコミュニティ・サイトとして適切なトーンを維持するためのやむを得ない措置で、対象者は21名だけだったことを強調している。しかし納得しないユーザーは多い。非公開のレビューやシェルフを追加することを提案する作家もいる。

出版は読書する(個人的/社会的)空間があって成立する。批評(書評)はその背骨をなしており、人々が本を知り、読み方を学び、さらに読書を広げていく場として機能する。アマゾンがオンライン書店で成功したのも、初期にエディターまでおいて書評、紹介ページを充実させ、信頼を得たことが大きい。GRは 時間をかけてリーディング・プラットフォームを築き、この分野でトップを走っている。今年はじめにアマゾンが買収し、年末までにはKindle Paperwhiteでも標準的に提供される。今回の措置は、おそらくそのこととも関係があるのだろう。

keep_calmGRは、当然ながら著者や出版社のプロモーションに協力しているが、今回の措置と結びつけて、それが「読者主導」を謳ったサイトの趣旨と合わないことを問題にする声もある。出版者側と読者のどちらに軸足を置き、納得を得るかは重大な問題だ。

「開放は必要だ。だが窓を開ければ蠅も入ってくる。」と言ったのは鄧小平だった。オープンなソーシャルなメディアは現実 (as is) の社会の姿を反映する。時にそれはあるべき (should be) 社会からかけ離れた現状を助長し、メディアの価値を毀損することにもなる。ソーシャル・メディアで「憎悪」が氾濫したり、非寛容から炎上したりすることは避けられない。うまく処理できなければ、衆知を集めるべく、苦心して築き上げた価値が一夜にして崩壊する危険を孕む。FacebookやTwitterくらいの規模になれば大抵のものは吸収できるが、それまでは脆い状態にある。2,000万人に達したというGRは、最初の大きな試練を迎えたことになる。
(鎌田、09/26/2013)

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