EPUB3国際化と電子教科書(1)

idpf_logo2JEPAは9月26日、IDPFのビル・マッコイ事務局長 (Executive Director)をメイン・ゲストに、「国際標準と電子教科書」と題したEPUB技術セミナーを開催した。EPUB3の多言語対応に貢献、現在は固定レイアウト(AHL)仕様化をリードしている村田真氏、ISO/IEC SC36で電子教科書標準化に参加されている上智大学の田村恭久氏がそれぞれプレゼンを行った。

ほぼ2時間で内容はかなり密度の濃いものだった。ここでは簡単に話の輪郭と印象のみを記すことにしたい。

Digital TextbookIT技術標準というものは、標準として普及させると同時に、現実のニーズに対応して進化を続けなければならない宿命にある。前者は確定(fix)を要求し、後者は変化を要求する。この日のテーマは、一方ではEPUBをISOの公式標準化という、形式性重視のコミュニティに関心がもたれるトピックがあり、他方では、EPUBを様々な市場に適用していくための拡張あるいはプロファイル化という、コンテンツ/製品やサービスの開発コミュニティに関心がもたれるトピックがあった。しかし話されたのは圧倒的に後者の内容であった。(写真は米国FCCのDigital Textbook Playbook

「EPUB3.01と国際標準化」村田 真

ISO/IECで(民間標準である)EPUBが公式化されるというのは形式的には大きなニュースだが、現実にはEPUB3が土台とするHTML5が確定していない以上、現行のEPUB3を確定版として採択することに意味はない。IDPFはDraft Technical Specification(技術仕様草案)という形での採択を目指すことにした。ドラフトであれ何であれ、ISO/IECのお墨付きが重要だ。というのは、教育や図書館などでの採用には要件化されている場合があるためだ。現実にISOにEPUBの窓口が出来たことで、他の分野のグループとの公式な接点が生まれ、交流が持ちやすくなるメリットがある。

AHLに関してはとても書ききれないので別の機会にしたいが、(1)プレビュー版に関する仕様、(2)リフローと固定レイアウトの連動、(3)固定レイアウトにおける対話的表示機能、(4)複数のレイアウトから実行時に選択表示する機能(rendition selection)について作業が進捗しており、仕様は6~7割完成の由。しかし最後の詰めにどの程度かかるか(あるいはかけられるか)は分からない。(つづく)(鎌田、09/26/2013)

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