ラガルデール出版は大幅増益

lag_publishing_138アシェット (HBG)の親会社であるラガルデール社は8月29日、2013年上半期の決算を発表し、9億1,700万ユーロ(1.4%)の売上に対して、利益 (EBIT)が24.6%増の7,100万ユーロとなったことを明らかにした。利益率向上には、ベストセラーのほか、米英を中心としたE-Bookが大きく貢献しているが、全世界でのデジタル比率は11.3%となった。

profit_growth国別でのデジタル比率に注目すると、米国での成年向け出版物のデジタル比は、前年同期の27%からさらに7ポイント上がって34%。英国ではさらに急上昇して早くも31%に達した。次の期では米英の差はなくなり、ともに40%に近づきそうだ。フィクションのデジタル化率はノンフィクションの倍近くあるのが一般的なので、フィクションはすでに50%に近いと思われる。昨年後半の売上に貢献した『カジュアル・ベイカンシー』のようなヒットが出るかどうかは不明だが、同社では Malcolm Gladwell の新作 "David and Goliath"、Scott Turow の ”Identical"、Michael Connelly の "The Gods of Guilt"に期待している。

デジタル比率は利益率と直結する。ランダムハウスはメガヒットが続いた前年に比べれば減収は避けられなかったが、それでも増益を確保したのは、コストの安いデジタルによるものだ。およそ企業経営におけるボトムラインは、シェアと利益である。増収が達成出来ないときにも、無理のない(つまり将来の成長を犠牲にしない)形で利益と利益率が高まっていくことは、紙中心の出版では困難だった。デジタルベースになることで、21世紀型の出版が可能になる。フランスを本拠とするラガルデールの場合は、英語圏以外でのデジタル移行が課題と言えるだろう。

ところで上期を牽引したのは、フランスでの『フィフティ・シェイズ』と『インフェルノ』(印刷版)とのことだが、どちらもランダム・ハウス系だ。英語圏ではRHが、フランスではラガルデールが販売しているのだが、こうした地域別分業はいつまで続くだろうか。 (09/05/2013 )

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