ACCESSからReadium採用EPUB3ビューワ

publus_logo-300x164(株)ACCESSは10月29日、EPUBビューワ PUBLUS Reader v2.0 のiOS対応版をリリースし、提供を開始したことを発表した(→リリース)。商用ビューワとして世界で初めて Readium SDKを採用し、動画・音声を駆使したリッチ・コンテンツの開発をサポートする。年内にも角川・BOOK☆WALKERストアから提供開始される予定。

最新の標準ベースの拡張E-Book開発が容易に

ACCESSは6月から、ACCESS Digital Publishing Ecosystemを改称し、PUBLUSブランドでマルチ・デバイスのデジタル出版プラットフォームを提供している(→リリース。下のコンセプト図を参照)。HTML5標準を徹底して利用するPUBLUSには、ブラウザ版とアプリ版があるが、今回リリースしたのは、iOS向けに提供してきたNetFront® BookReader EPUB Editionをアップグレードしたもの。日本語組版機能に加え、動的コンテンツの開発を容易にする最新機能を実装した。

PUBLUS_functions-700x702拡張E-Bookの開発では、従来確認・検証コストが大きくなることが問題になっており、そのために断念をした例が後を絶たない。標準(HTML5)を厳格化すればいいように思われるが、技術の発展を妨げ、独自開発(標準との乖離)を促す逆効果があるので限界がある。そこでオープンソースの参照実装を共有化し、第2の標準とすることが活発になっている。PUBLUSは WebKitをEPUBエンジンとして使用することでアップル iBooksとの互換性を向上させ、検証コストを大幅に低下させることが可能となった。

HTMLレンダリングエンジン群であるWebKitは、アップルのSafari向けに開発された実装がベースになっており、もともとiBooksと相性が良い。HTML5をベースとしたEPUB3の参照実装であるReadium SDKがWebKitをベースとするのは当然だ。ACCESSは、昨年3月に法人化されたReadiumのイニシアティブに参加し、開発に貢献してきた。

EPUB3によって、E-Bookは初めて対話型の拡張E-Bookの標準を得たが、日本の村田 真氏を中心とするJEPAのイニシアティブによって、グローバル言語対応(日本語組版仕様を含む)と固定ページ仕様が推進され、新しい世界のステージに立てることはじつに喜ばしい。官民プロジェクトとして推進された「中間フォーマット」が普及していたら、日本は最低10年は同じ舞台に立てなかっただろう。

自慢ではないが、この「中間」の無意味さと危険性を指摘したメディアがE-Book 2.0だけであったことはあえて強調しておく。Web時代に技術と市場についてのグローバルな視点がなければ判断できないことが多いということだ。(鎌田、10/31/2013)

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