オープンロード社が西語圏出版に進出

ORIMデジタル出版社の Open Road Media は、スペインの Barcelona Digital Editions SL と提携し、世界規模でのスペイン語出版を展開していくことを明らかにした。翻訳・出版権を確保した同社の既刊の中から翻訳・刊行していくもので、2014年春までに刊行を開始、1年以内に数百点を出版する計画。デジタルによる多言語展開の可能性に目をつけたもので、グローバル化の第一歩と位置づけられている。

ベンチャー・デジタル出版社のグローバリゼーション戦略

Jane Freedman発行ブランドは Ciudad de Libros/Open Road Espanolシリーズ名は Barcelona eBook。ジェーン・フリードマンCEOによれば、多くの作家がスペイン語圏でのE-Book出版を望んでおり、これまで方法を検討してきたという。翻訳とマーケティングは、Cuidad de Libros社との協力で行う。この事業のためにバイリンガルのチームが組織された。最初のタイトルには、スペインの作家ホセ・マリア・メリーノ、ペルーの作家アロンソ・クエトの西語作品が含まれている。独自での出版も検討されたが、現地の市場に通じたパートナーとの協業を選択した。これにはスペイン語圏作家の発掘、英語出版という別の目的もあると思われる。

ORIM(ニューヨーク)は、2008年までハーパーコリンズのCEOを務めたジェーン・フリードマン氏が自ら設立した会社で、当時は大きな話題を呼んだ。オーディオブック部門を設置したり、現在は業界の定番となっている作家による講演ツアーを創始したり、と斬新な発想と実行力で知られた業界ナンバーワンの女性経営者によるデジタル・ベンチャーは着実に前進し、2011年には投資ファンドから900万ドルを調達している。 海外展開には大きなコストとリスクが伴い、浸透までに時間がかかるので、出版社は消極的だったが、E-Bookは大きく状況を変えようとしている。ベースはまだ小さいが、コストの低いE-Bookを使えば時間をかけて開拓できるからだ。英語圏出版社のグローバル化は、まずスペイン語圏(とくに未開拓の中南米諸国)から始まり、参言語や規制、流通など、入障壁の高いアジアに進もうとしている。ORIMのパートナーシップ構想には、海外出版社との提携による英語圏でのE-Book出版という新しいビジネスモデルの開拓も含まれている。 (鎌田、10/11/2011)

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