アマゾンが大学書店との提携実験(♥)

Amazon Studentアマゾンが書店にパートナー(アフィリエイト)となることを提案した Amazon Sourceについては本誌で紹介してきたが、これとは別に大学書店に対して別のパイロット・プログラムに着手した。類似点は多いが、アマゾン・アレルギーの薄い大学書店では反応も違うようで、また新しいプログラムの実験を始めた。アマゾンによるリアルストアのアフィリエイト化、デポ化が来年のキーワードになるかも知れない。[全文=会員]

学生が遠ざかる大学書店をアフィリエイト兼デポとして活用

UCD_AmazonThe Digital Readerの11月27日付の記事によると、カリフォルニア大学デーヴィス校 (UCD)の書店がアマゾンとの間で、この秋から1年間の予定でパイロット・プログラムを開始した。現在のところ、パイロットはこの1校でのみで実施されている。

UCD書店はアマゾンのサイト内に専用のポータル・ページを設置。学生が買いそうなアマゾンの在庫商品を提供する。このサイトは機能的にアマゾンの一部であり、UCD書店のシステムや在庫とは無関係に設定され、決済や配送もアマゾンが行う。いわば、アマゾンがUCDブランドの書店をネット上に設置するわけだ。UCDは、このポータルを通じて売上げられた取引に対してアフィリエイト料を請求できる。またUCDの学生がAmazon Studentプログラムを使って購入した場合にもアフィリエイト料が提供される。Amazon Studentは6ヵ月間会費無料で提供され、2日以内の配送とPrime Instant Videoの特典が付いている。キャンパス内の書店には、Amazon Lockersが設置され、商品の受取りを容易にする。

言い方は悪いが、大学書店はアマゾンに学生を紹介する代わりに、自らは販売せず、手数料収入を得ることになる。オペレーション・コストは減るので経営的には悪くない話と思われるが、雇用は減少するだろう。ビジネスが順調であれば乗ることはなかったと思われる。背景として学生の大学書店離れがある。不況による消費の低迷、低価格志向が強まり、学生が校外で購買する傾向が強まっていることが最近の調査で確認されている。大学書店のマーケティング能力にも限界があり、最も容易なのが大規模流通との提携だろう。Amazon Studentと競うよりは協力することを選択するのは、かなり追いつめられていることを意味する。

学生が将来の顧客として重要なことは言うまでもない。大学書店では、B&Nが全米で1,500あまりの書店を運営しており、事業的にも重要な部門だ。しかし書籍以外の商品まで含めたビジネスを考えているアマゾンに比べて不利な立場に立たされるのは間違ない。UCDのパイロット・プログラムは、おそらく短期間で検証され、他に波及していくのは間違いない。一般書店、大学書店、大学生協などと提携を拡大することにより、リアルストアとのアフィリエイト・モデルはより精緻化されていくだろう。(鎌田、11/28/2013)

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