Google Booksをフェアユースと認定

GBooksGoogle Books 事件を審理していた米国ニューヨーク巡回控訴審裁判所のデニー・チン判事は11月14日、作家側の主張を退け、Googleの勝訴を言い渡した。フェアユースを重視し、Google Books を「芸術と科学の進歩に貢献する」公共性のあるツールと判断したもので、長引いていた裁判を終わらせ、同時に著作権行政を「利用促進」に転換させる契機となるかも知れない。

Google勝利で著作権論争の潮目は変わったか?

今回の判決は、Google Booksがフェアユースの要件を満たしているとして被告側の略式命令申請を認め、原告側 (Authors Guild)の広告を却下したもので、Googleの完勝となった。7月の高裁決定で「フェアユースに関する判断を優先すべし」と指示されたことに従ったものだ。判事の意見書(→PDF)によれば、利用目的、業務の性格、市場への影響の3点で、Google Booksはフェアユースと認められ、規模の点で問題は残るものの全体としてフェアユースである。2005年以来9年近い歳月はなんだったのか、と思わせるほどあっさりしている。「フェアユースの範囲を逸脱している」と主張する作家組合は最高裁に上告し、そこで最終決定がなされることになろう。

dog_in_mangerチン判事は以前「今日、人々はオンラインで情報を得てから本を購入するようになった。つまり、著作者はより多くの本が売れることで補償されている。」という認識を述べている。研究者にとって、参照すべき本を見つけることは簡単ではない。リストは不完全で検索エンジンが生きるかどうかはメタデータに依存する。実物にあたらなければ分からないことが多いが、Googleは文献探しに使う時間をかなり短縮するだろう。そして幸か不幸か、乱暴にスキャンされた「本」はあまり使いたくなるような代物ではないので、実物をオンラインで探索することになる。どこかにあれば、入手して買うだろう。これは一理ある。

米国憲法における著作権は「科学と有用な芸術の進歩を促進する」ことを主旨としていて、「著者、出版者の利益機会を保護」することは独立した目的とはならず、あくまで手段として認められている。フェアユースは前者に由来する法理だが、その適用を制限しようとする著者・出版社には、イソップ寓話の「かいば桶の犬」(自分に用のないものを他人に使わせるのを嫌がる意地悪)の喩が使われてきた。しかし、Google Booksでは、その空前の規模と変換利用(デジタル化)の可否が問われていた。こうした問題は今回の決定によってもクリアになっていない。(鎌田、111/19/2013)

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