デジタル出版のためのディレクトリ GDP-SD(1)

directoryデジタル出版は、コンテンツの開発とマーケティングにおいて、サービスをどう組み込むかがテーマとなる。そこでサービス/プロダクト・ディレクトリ作成のための準備をしてきたが、ようやく方向性が見えてきたので、中間段階をお伝えしておきたい。名付けてGDP-SD (Global Digital Publishing Services/Products Directory)プロジェクト。

もともとは、読者のための情報の整理と共有のために企画したのだが、海外を探しても見本がなく、構造をゼロから考えていくうちに、壮大なことに手を出したがる悪癖が頭をもたげ、収拾がつかなくなりつつあった。本来はシンクタンクが優秀な頭脳と時間を投入してやるべきことなのだが、誰もやってくれないし、開発資金も出してくれないので、不肖やつがれがディレクトリとディレクトリ・サービスのグランドデザインを提起し、世界に提案してみようかとも考えている。

とまで考えたのは、出版もサービスもビジネスもグローバル化しており、ローカルなものでは意味がないと言えるからだ。それに、かつてのように、グローバルなプラットフォームがローカライズするのに、技術的に1年も2年もかかる時代ではない。

1. デジタル出版のディレクトリとは:ビジネスとサービスに注目

check_listディレクトリとは「分類・整理するための保管場所」で、一般的には電話帳、ビジネスでは仕入先や製造者の情報を収めた目録を意味する。われわれが必要とするのも、とりあえずはこれだ。プライベートなもの、パブリックなものがある。業界(団体)があればそこには名簿がある。当然ながら、作成・登録・管理はデータベースや表計算ソフトが使われる。そして「指針・規則・命令」の意味もあるように、ディレクトリには厳密で一貫したものであることが要求される。データを管理するための情報であるメタデータの管理(データ・ディクショナリ)も必要になる。

さて、そこへ行くまでが問題である。そもそもデジタル出版のためのサービス/プロダクトとは何だろう。紙の出版であれば、企画・制作、印刷・製本、流通・販売、情報サービスなどと分けて、それぞれの企業の情報を集め、あるいは手っ取り早く、業界/団体の名簿を集めれば事足りる。それほどのスピードや完全性を要求が求められることもないだろう。業界の名簿などは、業界の現況や位置関係を確認するためにあるようなものだ。しかし、デジタル出版となると話は変わってくる。必要となるサービスや技術、製品も明確に定義されていないどころか、デジタル出版の範囲も定まっていない。書籍と雑誌の境界は、かなり無意味だ。アプリやオンデマンド印刷、ソーシャル・リーディング、マーケティング・アナリティクス、ファンディングなどを含めないわけにはいかないが、探すのも簡単ではない。

solution2結局、一時保管庫ではなく、データベースとなってビジネスに使えるまともなディレクトリをつくるには、デジタル時代の出版のエコシステムのモデルを(ある程度緩めに)描いてみて、実際に使えるかどうかをテストし、固めていくのがよいだろう。「電子出版」が初めて言われた1990年前後、デジタルは制作のサポート(製版まで)だけだった。2000年になって、出版の制作システムは変わり、印刷本の通販も拡大していたが、ビジネスモデルは不変だった。しかし、2010年には状況が大きく変わり始めた。E-Bookの流通が始まったことで、(デジタル)マーケティングが出版における最重要要素になってきたことが大きいが、タブレットが登場してアプリという「ソフトウェアとしての本」の市場が生まれた。書籍とは無縁だった広告も、出版のビジネスモデルから外すわけにはいかないだろう。さらに商業出版と非商業出版(企業出版、自主出版)との違いも、やはり「ビジネスモデルの問題になってしまった。

デジタル出版はデジタルコンテンツであると同時にデジタルサービスとして成立した。それは従来の紙出版とデジタル出版を分かつ最大の特徴だろう。だから、ディレクトリもサービスの機能・目的・性格・形態別分類をしなければならない。 つづく (鎌田、11/30/2013)

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