シェークスピア・アプリに定番登場か

Folger_4米国のサイモン&シュスター社は11月21日、シェークスピアの戯曲を教え・学ぶためのiPad向け対話型アプリが、ワシントンDCのフォルガー・シェークスピア図書館 (Folger Shakespeare Library)とルミナリー社 (Luminary Digital Media) の協力で刊行されたことを発表した(Folger/Luminary Shakespeare)。フォルガーのリソースを後者のソーシャルリーディング・プラットフォームで活用可能にしたもの。価格は11.99ドル。

学生から俳優志望までの教育アプリ

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アップル iTunesストアで、オセロ、マクベス、ロメオとジュリエットの3作品が発売されており、真夏の夜の夢も年内にリリースされるほか、その他も順次継続される。シェークスピア・アプリはすでに多数が登場しているが、S&Sはフォルガー版こそが決定版と主張している(開発チームの顔ぶれはこちら)。フォルガー・シェークスピア図書館は世界最大規模のコレクションを所蔵し、研究・教育も活発に行っている。アプリは以下の機能で構成される。

  • 標準的なテキスト:豊富な注釈がついたフォルガー版戯曲台本
  • 音声版:有名シェークスピア俳優によってフォルガー・シアターで演じられた音声版。もちろん原文と同期し、重要な台詞については複数のパフォーマンスが聴ける。
  • 専門家の解説:重要な台詞・場面について、学者、演技者など世界
  • 的な専門家による解説を聴くことで理解を深める。
  • ソーシャル・プラットフォーム:読者が考えたことをノートに記し、友人や教師と共有し、質問することを支援する環境。
  • マルチメディア:豊富な写真、ビデオやマルチメディア学習ツールで読書体験を拡張

folgerluminary古典中の古典であるシェークスピア作品は無償公開されており、PlayShakespeare.comやProject Gutenbergで読むことができる。しかし日本の古文ほどではないにしても、古典英語はかなり読みづらいし、注釈なしでは言葉の意味を掴むことも難しい。さらにさまざまな舞台上演に接することがないと「理解」に踏み込むことはできない。そこでアプリの登場となる。これまでShakespeare (Readdle) やShakespearience (Sourcebooks)があった中で、S&Sがリリースしたのは、定番となるテキストを出しているフォルガーと、ソーシャル・リーディングを含むオーサリングで知られるルミナリーのパートナーシップによって、これがスタンダードとなる自信を持ったためと思われる。開発費は相当な額と思われるのに対し、12ドルあまりの価格というのは、息の長いビジネスを前提としている。印刷本による古典全集は困難になっており、アプリという形で新しいフォーマットとビジネスモデルが開拓されれば、意義は大きい。 (鎌田、11/28/2-13)

 

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