E-Readsがオープンロード社に統合

EReadsデジタル出版社のOpen Road Integrated Media (ORIM)は2月10日、1999年創業で“最古参”の E-Readsを買収したと発表した。これまでに発行された1,200点のタイトルは、すべてORIMに移管される。E-Readsは、ニューヨークの著者エージェント、リチャード・カーチス氏が始めたデジタル出版のパイオニアだが、市場の爆発的拡大によって「見つけられやすさ」に問題を抱えていたようだ。

コンテンツの時代からマーケティングの時代へ

RCurtisソニーの北米撤退、Nookのリストラ、カーチス氏(写真左)のE-Readsの退場…と、この新興市場は一つの転機を迎えたようだ。つまり、市場の勃興期の中心プレイヤーが、時代を見切ったことを意味する。オープンロード社は2009年、NY出版界の大物経営者であったジェーン・フリードマンCEOが十分な資金とスタッフを準備して起業したもので、すでに独立系デジタル出版社として最大手として成長している。保有タイトルは4,000点余り。やはりマネジメントの能力という点で、同社は他のスタートアップからは抜きんでている。

ORIME-Readsは、カーチス氏の人脈でかなりの著者とタイトルを有している。フィクションのジャンルは多岐にわたっており、Dan Simmons、Harlan Ellison、Greg Bear、John Norman (SF+F)、Aaron Elkins、Barbara Parker (ミステリ)、Laura Kinsale (恋愛)、Ray Garton (ホラー)などを含む。さすがにエージェントが起業した出版社だけのことはある。しかし、新時代のマーケティング能力は旧世代の出版人ではカバーできるものではなく、販売はますます難しくなっていく。コンテンツの可能性を生かすためにも、マーケティング力のあるオープンロードへの売却はよい選択だったと思われる。本格文芸ものに強いオープンロードとしては、ジャンルを拡大することになる。

リチャード・カーチス氏はブログにおいて次のように述べている。「私が創業した当初のE-Readsは成功を収めることが出来ました。しかし、最近の業界の状況を調査してみた結果、とりわけ最も重要な分野であるマーケティングで、より大きな資源を持つ企業との連合を追求すべき時であるという結論に達しました。」

これに付け加えることはないが、2000年代の市場創造期に、有名作家をこのフロンティアに導いたカーチス氏の功績を讃えたいと思う。デジタル出版が成立するためには、彼のような生粋の出版人が本気で取り組むことが必要だった。(鎌田、02/13/2014)

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