英国のBooktrust という団体が英国民の読書行動についての調査を行い、レポートを公表した。米国のピュー・センターの同じテーマの調査とほぼ比較可能なものだ。E-Bookを読んだことがあるのは29%。20%が毎日または週1回以上読んでいる。紙にせよデジタルにせよ、分厚い読書層の継承性は、出版文化を過去から未来につなげる基盤となる。
世代間のギャップが拡大

紙の本を「まったく読まない」人は18%で、45%はTVや映画視聴が読書より好き、4分の1以上はインターネットやソーシャルメディアのほうが好きと回答しており、後者は18-30歳の青年では56%に達する。これは知識や思考能力の低下に結びつくよくない傾向だ。The Digital Readerは米国の直近 (1月)の数字と比較している。E-Bookを昨年1年間に読んだことがあるのは28%とほぼ同じ。
Booktrustのデータには内訳があり、デジタルの場合では、たまに(9%)、週1回以上(9%)、毎日(11%)(計29%)で、印刷本の場合の各30%、22%、28%(計80%)で、コアな読書層の半分に達しておらず、まだ伸びしろは豊富にあるということだ。このあたりも米国と共通する可能性が強い。英米で異なるのはオーディオブックの利用で、米国の合計14%に対し、英国は同6%に留まっている。これはライフスタイルの違いだろうか。
コアな読書層についての調査はかなり興味深いものがある。回答者の6%あまりの非常によく読む層は、自宅の書庫の所有も充実しており、平均して994点と1,000近い。月に12冊は読んでいる。年250点ほどだ。この「本の虫」に続く層(15%)は、月に3-4冊で書庫には平均252点を所蔵。その次の層(14%)は月間の読書は多少少ないが、雑誌・定期刊行物の購読はもっと活発で、蔵書も262点。この中にE-Book「蔵書」が入っているかどうかは不明。◆(03/12/2014)
参考記事
- Survey shows deep class divide in reading habits, by AlisonFlood, The Guardian, 03/12/2014