トップに立ったネット広告の次の展開

IAB2013年の米国のインターネット広告の年間売上高が発表され、前年比17%増の428億ドルと、テレビ (401億ドル)を抜いて初めてトップに立ったことが明らかになった。10年間で約6倍。CAGR(年平均成長率)は18%だが、重要なことは、モバイル(タブレット、スマートフォン)を外せば12%で、比較的ゆったりしているのに対し、この5年のモバイル広告のCAGRが123%にも達すること。

モバイルが主導し、征服から連携・統合へ

インターネット広告に関する統計は、Interactive Advertising Bureau (IAB)が発表している。2009年に不況の影響を受けて初めて落ち込んだインターネット広告は、翌年からモバイルという新しい推進力を得て成長力を回復させた。インターネットが他のメディアと異なる点は、その遍在性/自在性である。それがPCと固定回線に縛られていた2000年代には成熟に向かっていたと思われたが、モバイルとソーシャルという機能を取り入れたことで性質を変え、メディアとして圧倒的な優位を確立した。

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100%以上のスピードで伸びているモバイル広告は、現在まだ20%あまりだが、数年で50%を超えるだろう。雑誌や書籍を含めたコンテンツとの親和性もよいからだ。そして、次の成長領域はインターネットTV、あるいは“大画面インターネット”だろう。アマゾンが発表した Fire TVのように、コマースと広告が結びつく形となるが、これはケーブルや地上波TVの市場(合計すればまだ750億ドル)を激しく侵食することになる。インターネット広告が「全TV広告」を捉えるのに、5年もあれば十分と思われる。これまで、主要広告メディアの中で、最も大きな落ち込みを示したのは新聞であり、2005-2011年の6年間に半減という、すさまじい崩落ぶりだが、「ニュース」と「三行広告」がインターネットに呑み込まれたためだ。紙の新聞はラジオにまで抜かれることになるだろう。

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携帯電話(モバイル)を広告手段とした次は、TVや屋外広告など伝統的な媒体を「インターネット化」する。最大の強味は更新速度とメディア連携、そして広告取引の市場化(RTB=リアルタイム・ビディング)ということになろう。長期的に考えれば、すべての広告メディアが直接、間接にインターネットを通じてコントロール(最適化)されることになる。これまで「インターネット」を新聞、雑誌、放送、屋外などと並べて比較してきたが、それも無意味となるだろう。印刷や電波は、長期的に見て、とうてい有線・無線のインターネットと対抗できるものではなく、経済的に維持可能な場合のみ、補完的な役割を果たすことになると考えるのが自然だ。伝統的メディアが有利な立場でインターネットを利用できる時間は、あまり残されていない。 (鎌田、04/17/2014)

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