Wattpadが上場めざし約50億円を調達

wattpad_ipadソーシャルリーディング/ライティング・プラットフォームの Wattpad(加トロント)は4月8日、ベンチャー企業として3回目の資金調達で総額4,600万ドルを調達した(TechCrunch, 4/8)。全世界に2,500万人のアクティブ・ユーザーを擁するまでに成長した Wattpad は、GoodReadsがアマゾンに買収されて以降、出版界最大の「推定時価総額」を更新していると考えられている。その進路は大きな意味を持つ。

最大のソーシャル出版プラットフォームに成長

golden-egg3本誌でも何度か登場している Wattpad は、出版ベンチャーの星とも言える存在だ。ベンチャー企業の周期としては、3回ほどの資金調達を経て、投資家的には株式公開ないし大手による買収をゴールとするが、Wattpad は2011年9月(350万ドル)、2012年6月(1,730万ドル)と着実にスケールアップし、ユーザー(著者と読者)を拡大させてきた。前回の調達からユーザー数は4倍になっている。最後となるラウンドを経た企業は、ビジネスモデルを確立し、収益性を示さなければならない。そのパフォーマンスによって時価総額数十億ドル台以上の上場企業となるか、それ以下で買収されるかが決まる。Wattpadはユーザーのエンゲージメントが半端でないほど高いので、それだけ多くの可能性に転化できると期待されている。総額50億円を調達したということは、ファンドのほうでは悪くても億ドル単位を見込んでいることになる。

Wattpadは拡張プランの基本方針を以下のように表明している。

  1. コミュニティを立ち上げる
  2. アマゾンには売らない
  3. 営利事業を軌道に乗せる

コミュニティはすでに存在し、ユーザー数の半数以上が北米以外なので、欧州、アジア、オセアニアでの展開を考えているものと思われる。2番目と3番目は同じことだ。熱心なユーザーに支持された無料サービスを利用するコミュニティは、既存のエコシステムに統合しやすいので、アマゾンが最も高く評価する。他方で、アップルやGoogle、Koboなどが買っても有効に使えるかどうかは疑問だ。無料サービスからビジネスを立上げるのはそう簡単ではない。広告と結びつきやすいとみられたYouTubeでも苦労したほどだ。

最も高く買ってくれるであろうアマゾンには(出来ることなら?)売らずに独立性を保持したいWattpadは、昨年8月に実験的にスタートさせたクラウドファンディング・サービス(Fan Funding)の収益事業化、および出版社との提携を考えているようだ。創業者でもあるアレン・ラウCEOによれば、すべて目標に達した実験結果を検討してモデル化しようとしている。(鎌田、04/10/2014)

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