Comixologyの iOSアプリ変更に非難

amazon_comixologyアマゾンは買収したコミック・サイト ComixologyのiOS向けアプリを更新したが、ストアとアプリ内決済(IAP)を外し、ブラウザだけにしたことで大きな波紋を呼んでいる。これまでに購入したコンテンツは読めることが保証され、iPhone/iPadユーザーは、ブラウザからComixologyサイトで購入できるが、「KindleによるiOS排除」と見たiPadユーザーの怒りは簡単に収まらない。

プラットフォームの「移行」が生む誤解と疑心暗鬼

すでにかなり前のこととなったが、アップルがiOSのIAP機能を利用するアプリに対し、30%の「課金」を要求したことで、HuluやPandoraからKindleに至るまで、多くのストアはIAPを外した。30%をアップルに払えばストアが成り立たなくなるからだ。しかしブラウザに移行した多くのメディア企業の中で、ComixologyはIAPを維持した。つまりアップルに30%を支払い、残りの70%を著者と折半する(つまり35:35)という窮屈なビジネスモデルを選択したわけだが、これはターゲット・デバイスとしてのiPadへの依存が大きかったためだ。Kindle/ComixologyがアップルIAPを外したことで、著作権者は35→50%に取り分を増やした。また、アップルの厳しい「検閲」は多くのタイトルを締め出していたので、そちらの脅威も解消した。Comixologyは独立性を保つとされているので、Kindle基準に取って代ることもないようだ。

NoEyes-Punisher-Comixology-e1398628108578Phone/iPadユーザーは、Safariを使ってComixologyサイトから購入し、専用アプリで読めばいいので不自由はないはずだが、iOSとComixologyアプリの完結した環境のユーザーにとっては我慢がならないことかも知れない。その上、最近購入したタイトルが新アプリでダウンロードできないといったトラブルも報告されて油を注いだ。システム上の問題か、ユーザーが不慣れなためかは不明だ。レイアウト機能の互換性や独自DRMが絡んでいる可能性が強いが、当然予想されたことで、デリケートな移行に際してのアマゾンの不手際は否めない。

「小規模書店を廃業に追い込んだ」(実際は逆)とか、この会社は何かとあらぬ嫌疑がかけられる。今回も「アマゾンはComixologyをぶち壊した」とコミック作家のゲリー・コンウェイ氏が怒りの声を上げた。彼はアマゾンがKindleデバイスの優位を築くために、より優れた体験を提供するiPhone/iPadアプリを破壊したと断罪したのだが、これも見当違いというしかない。アップルのように自社デバイスへの執着が強くないアマゾンは、他社デバイス向けのKindleアプリをKindleデバイスと同様に重視してきた。“iOS使用料”とも言える無意味な30%を迂回するためだけの変更にそれ以上の意味はない。しいていえば彼のような著作権者への支払いを多くするためだ。そしてiPadユーザーがデバイスを変更する必要はない。(鎌田、05/01/2014)

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