定額サービスをリードする Scribd は4月30日、技術系出版のワイリー社との提携を発表し、同社のヒット・シリーズ "For Dummies" を含む既刊本1,000点を定額制サービスで提供することを明らかにした。スタートアップの Oyster も新たに3社と契約、月額10ドルで利用できるライブラリーもほぼ20万点に近づいた。定額のビジネスモデルの定着は予想より早そうだ。
出版社の独自サービスも
"For Dummies" のような実用書は、以前ご紹介した旅行ガイドのようにお気に入りのシリーズから数冊を使う可能性が多いので定額制になじみやすい。固定ファンが多い"For Dummies"はその代表的なものだ。マニュアル本は Office のように対象テーマの市場が大きく、類書も多いものは安いが、その逆のテーマでは高くなる傾向があるが、今回の発表では100ドル超のような高額本は含まれていない。
Oysterが4月24日に契約したのは、料理本、パズル、児童書などの Andrews McMeel、アウトドア・ガイドの Globe Pequot Press、フィクションから実用書まで、ショート・フォームのE-Bookで提供するNew Word Cityの3社(→リリース)。いずれも同じような傾向を持っている。子供向けの定額サービス Epic は、Capstone Young Readers社の500点あまりをカタログに加えたと発表した。Epicは月額10ドルで4,000点あまりをiPad向けに提供している。
さらに大きな話題は、教育・青少年図書出版の大手スカラスティック社が Storia School Edition という独自サービスを開始したことだろう。約2,000点のフィクション、ノンフィクション、辞典類を提供するが、教育系、宗教系などでは独自の定額制サービスを開始する出版社も増えると思われる。◆(鎌田、05/08/2014)