ビジネスモデルが動く

questions先週は「噂」や「リーク」の形でお伝えしたアマゾンの Kindle Unlimitedが、あっさりと正式発表になった。最初から正式発表すればいいものをと思うが、この会社ではこれがノーマルだ。今年最大のトレンドの一つ「定額サービス」が、最大シェアを持つアマゾンから提供されるわけで、かなり頭を悩ますことになりそう。

Unlimitedに拡大するエコシステムとSNSの "Buy"ボタン

Unlimitedは、KOLL (Kindle Owners Lending Library)の対象を一般に広げただけのように見え(見せ)ながら、その名(「無限」)の通り底の知れないところがある。その意味するところは、著者/出版社に提供するKindleエコシステムの飛躍的な拡張だ。Unlimitedに参加するにはKindle Selectへの同意が条件となり、他のストアへの出品を断念することになる。米国で65%、英国でそれ以上のシェアを持つアマゾンの独占に協力する代わりに小売価格の70%近く得られるメリットをどう評価するか。それは著者/出版社の状況や立場によって異なるだろう。少なくとも、中堅・新進のライターにはかなりの魅力となりそうだ。本誌では、新しいKindleエコシステムが著者/出版社およびライバルにとって持つ意味を考える材料を集めている。

Twitterが "Buy Now"ボタンを導入し、Facebookも広告に"Buy"ボタンを付ける実験を始めた。SNSが小売チャネルになることは「昔」から言われており、試行も再三行われてきたが、本格的な立上げは異常なまでに時間を要してきた。一見して理解可能な問題以外に、細部に無数の課題があり、Facebookほどの企業でも超えるのに時間がかかったのだ。とくにマイクロペイメント(少額決済)サービスとの噛み合わせが問題だった。今度こそとなるか、まだなのかを、頭を冷やしながら考えてみたい。

さしあたって出版にとって重要なことは、これが本や雑誌、論文等を気軽に閲覧し、買えるインタフェースとなるかどうかだろう。Twitterで自動車や家電を買う人はあまり想像できないが、コンテンツを買うには適しているはずだ。しかし、購入点数が多くなると、「読み放題」サービスへのニーズが高まる。もしかすると、「どこでも "Buy Now"」ボタンがデジタル・ビジネスモデルの次に展開を促す動因になるかも知れない。(鎌田、07/22/2014)

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