成長を持続する英国のE-Book市場

UK-PA_logo英国出版社協会(PA)が発表したDigital Sales Monitor 2014年4月版によれば、今年1-4月のE-Book販売が、前年同期10.5%増の1億3,250万ポンド(約230億円)に達したことが明らかになった。一般書から教育、専門書まで、分野に関係なく伸びを示しているのが特徴。とくにこれまで市場を牽引してきたフィクション以外の分野での高い伸びが注目される。

フィクションから専門書まで浸透

UK米国を2年遅れで追ってきた英国のE-Book市場は、2013年までの5年間で4倍あまりになり、売上比率は16%となっている。今回の数字は、なお二桁台の成長を継続する可能性が高いことを示すものだ。内訳では、一般書が10%増の8,100万ポンド、教育書・専門書は11%増の5,100万ポンド。分野別では、フィクションが8%、成年向けノンフィクションが10%、特に高い児童書は33%と、大きく成長した。教育・専門書ではSTM(科学・技術・医学)が16%増、学校向けのELT(英語教材)が14%、社会・人文科学が11%。教育・専門書分野で注目されるのは、販売額の7.5%増(1,760万ポンド)に対してオンライン購読料が17%増(3,000万ポンド)とより高い伸びを示したこと。多くのタイトルを読む必要がある学生や専門家(機関)の市場では、一部売りよりも購読型販売が主流となる可能性があると思われる。

最初の4ヵ月で対前年比10.5%増という数字は、米国AAPによる、5.1%増、4億4,800万ドルより高い。ちなみに米国では印刷本が健闘し、ハードカバー(9.8%増、4億9,200万ドル)、ペーパーバック(5.3%増、4億5,800万ドル)ともにE-Bookを押さえて優位を示した。ただし、米国の数字は商業出版中心の数字なので単純に比較はできない。また、この期間はアマゾンとアシェットの紛争が激化した時期でもあり、アマゾンが(ベストセラーの常連であるアシェットのタイトルを中心に)意図的に販売を落とした影響も考えられる。このへんの事情はいずれ明らかになるだろう。

英国PAは、米国のAAPに対応する出版社団体で、会員は114社だが、商業・学術・教育の各分野をカバーし、英国書籍産業の売上の約80%を占めると考えられている。Digital Sales Monitor (DSM)は、PAのイニシアティブで行われている調査で、英国のE-Book市場の75%あまりをカバーしていると考えられている。これにはアマゾン出版および自主出版による数字が含まれていない。(鎌田、07/22/2014)

Scroll Up