GoogleがPlay BooksのUIを刷新

GooglePlayBooks2Google Play Books (GPB)は、ノンフィクション・実用書系のリーディングに対応する大幅な拡張を行った。とくに非フィクション・コンテンツの読書に必要な改良を加えたことが特徴で、まずAndroid版で登場、次いでiOS版がリリースされる。学ぶ本・使う本に必要な機能への対応が弱いため、この分野のデジタルが遅れていたが、「標準的UI」としてのE-Readerで実装されたことから、市場の急成長も期待できる。

ノン・フィクションのためのデジタル・ネイティブUI

GooglePlayBooks3現行のE-Readerのインタフェースは、最初から連続的に進行する本を前提にしている。そうでない本の場合は、紙の本より不便と感じることが多い。そうでない本とは構造性の強い(深い目次構造、豊富な図表、注釈、引用、カラム等)、DTPでも最も扱いに苦労する種類のもので、E-Bookでは扱い方が決まっていないだけに、出版社を逡巡させてきた。EPUBはもちろん、PDFという印刷本との中間的なフォーマットを使うにしても、まだUIの問題が解決されていない。基本的には以下のようなものだ。

  1. 現在位置の確認(論理的位置、脈絡)
  2. 構造の確認(目次)
  3. 目的ヵ所への移動
  4. 並行表示(複数ページ/カラム)
Googleは今年6月25日にGoogle I/Oカンファレンスでデザイン言語Material design *(コードネーム「クォンタム・ペーパー」)という、Web環境において汎用的な総合的なUIイニシアティブを発表している(→Google Designページ)。今回のGPBの改訂もその一環だと思われるが、それを含めて考えれば、Googleの関心が「デジタル・ネイティブなE-Book」にあることが分かる。現在の商業出版市場の主流であるフィクション市場をスキップして、デジタルでなければ不可能な機能を使えるUIを本気で開発している中で生まれたのがGPBの最新版と考えてよいと思われる。まだ入り口のあたりだが、それでも“使えるE-Book”への第一歩としては十分ではないかと思う。The Verge (By Nathan Ingraham, 10/30)が画面とともに解説しているので、簡単に確認しておこう。

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▲「スキム・モード」と 「TOC(目次)

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拡張の中心は上の画面の「スキム・モード」と呼ばれる機能にある。スキムとは俯瞰(ざっと目を通す)というような意味。読書モードで画面の中央部辺りをタップすると、ページがズームアウトし、縮小表示したページを左右にスライドできる状態になり、必要なページで止めて読書モードに戻る。これは「スクラバー」に近い。下のページ表示の場所にブックマークが出るので、マークしたページの間を往還できるのもいい。必ずしも目次に行く必要はない。TOC(目次)も改善されており、章ごとに詳細目次を確認し、ターゲット・セクションに移動する。スキムモード上での検索では、表示リストから目的ページに行くだけでなく、その前後のページをめくることができる。

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デジタル読書環境は、アプリ(コンテンツ)、デバイス/リーダ、クラウドの3層の総合として提供されるものである。アプリ実装でいくらがんばっても、使える環境が限定されるので割に合う市場は小さい。クラウド・サービスは操作性には直接及ばないので、デバイスにおけるUIが全体の要の役割を果たす。ここでの技術的前進は、コンテンツ/アプリ開発に巨大な影響を与えるだろう。(鎌田、11/03/2014)

Google Designについては以下を参照。

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