S&Sが新ビジネスモデルを発表

Simon_logo2サイモン&シュスター社(S&S)は1月29日、健康・自己啓発にフォーカスした新しいマルチメディア・ブランドNorth Star Way (NSW)を発表し、同時に「伝統的出版の枠を超え、著者の声価を高める補助的サービスのセットを提供する」ことを明らかにした。これは書籍はもちろん、メディアの枠をも超えた、出版社による新しいビジネスモデルである。

「北極星の道」は著者と読者のナビゲーターを目ざす

Simon & Schuster logoNSWは健康と自己啓発をテーマとするノン・フィクションのブランドで、印刷本とE-Bookのほかに、アプリ、ポッドキャスト、オンラインビデオを含むマルチ・フォーマットでコンテンツを提供する。著者をパートナーとして共同でコンテンツ開発・販売の戦略を練り、読者にリーチする上での最適なフォーマットとサービスを決めていく方式。著者にはキャリアを高め、複数メディアでの販売を最大化するための環境を提供する。印刷本とE-Bookのほかに以下が含まれる。

  • オンラインコースと定期購読サービス
  • セミナー、ワークショップ、パネル・ディスカッション
  • モバイルアプリ
  • オリジナルビデオおよびオーディオブック
  • スポンサーシップとビジネスパートナーシップ
  • ポッドキャスト

NSWが夏に刊行を予定しているタイトルの中には、少年時代の事故で全身98%の火傷を負う試練を乗り越えたジョン・オレアリー氏(John O’Leary)の 'On Fire by'、十代で起業家となった マヤ・ペン氏(Maya Penn)の著書が予定されている。おそらくS&Sは、新刊キャンペーンで新しいビジネスモデルをフル稼働させるるものと思われる。同社は最近、SimonSaysというオンラインビデオ・プログラムを開始したが、NSWにもビデオコースが組み込まれている。

michelle-martin4「北極星の道」というブランド名には、メディアの海を進む著者と読者をともに導く星を目ざす意図が反映されている。新ブランドの発行人となるミシェル・マーティン副社長(=写真)によれば、NSWは著者およびその候補者―つまり、起業家、専門家、啓発家など―をクライアントとし、パートナーとしてオーディエンスと事業(出版であれその他であれ)を開拓することをミッションとしている。筆者の分類では、拡張型出版、あるいは事業型出版と呼ぶべきもので、書籍を唯一のターゲットとするのではなく、パッケージ・メディアの枠をも超えている。しかし、健康や自己啓発というテーマに最も即したもので、当然にも広告/イベントモデルが含まれている。

S&Sのキャロライン・ライディCEOは「NSWは弊社がこの数年開発してきたサービスや能力を統合し拡張した、出版の新しいビジネスモデルです。」と語っている。事業型出版は必ずしも新しい形態ではなく、ただ商業出版社が手を出さなかった領域だが、ついに最大手出版社が進出することになった。このことの意味については別の記事で検討してみたい。◆  (鎌田、02/03/2015)

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