Koboが高性能・低価格のE-Readerをリリース

Kobo-glo-HDKoboは4月7日、同社の主力デバイスとなるE-Readerの最新版、Kobo Glo HDを欧米など向けに発表した。「読書を人生の中心的価値と考える人」をターゲットとしたとしており、印刷本の読書体験の実現を意識し、画面解像度など性能的には最高水準ながら125ドルと挑戦的な低価格を打ち出したのが特徴。発売は5月1日から。

専用E-Readerは愛書家へのコミットメントの証

Kobo Glo HDは6型で300ppiの超高解像度 (1448 x 1072 pix) E-Readerで、価格は149ドル。1GHzのCPUで、ページめくりはよりスムーズになる。カードスロットはないが、内部記憶は4GB。約3,000冊を収納としており、まず十分だろう。180gという重量は平均的な文庫本と変わらず、紙の本を目ざすなら、これ以上軽い必要はない。文字は11書体、48サイズと選択肢が増えた。書籍の紹介ページは、ユーザーの好みや読書履歴に最適化されているという。パーソナライゼーションはソフト面で進化している。

kobo-glo-hd-2015-announce-05-450x299昨年はKobo Gloシリーズの更新がなく、H2Oはニッチな製品だったので心配されたが、愛書家向けのHDが低価格でリリースしたことでKoboのコミットメントが再確認された。300ppiという解像度はE-Inkとしての到達点で、通常の紙の本に関しては理想とされたレベル。そこから先は2色化かフルカラー化に進むことになろう。E-Inkでも技術はあるが、低価格は無理だ。300ppiが125ドルで出たことで、今秋のアマゾンの新製品にとってのターゲットが設定された。Kobo Gloの日本向け製品について発表されていないが、アマゾンの次期製品に合わせてほしい。

来日した独Tolinoのクラウス・レンクル氏が、最重視するデバイスは専用E-Reader、HTML5ブラウザがそれに次ぎ、iOSやAndroidのアプリはあまり重要ではない、と語っていたように、E-Bookプラットフォームにとって読書専用端末は、ストアと読書好きの読み手を結ぶ特別な意味を持っている。B&N Nookの凋落は(マイクロソフトとの提携で)それを忘れたところから始まり、かつての遺産で辛うじて維持している。2010年にKindleとNookに価格競争を挑んでデビューしたKoboがそのことを認識していることは嬉しい。

iPad登場以来「タブレット/スマートフォン vs. 専用リーダ」が話題となり、メディアではカラーや動画も可能な汎用機に軍配を上げる記事が一般的だった。デバイスの絶対数、次いで読書端末に使われるタブレット比率が重視されたわけだが、本誌は一貫してそれが無意味であると言い続けてきた。コンテンツビジネスにおいては「誰が、何を、どういう読み方をするか」が重要だからだ。E-Readerの最大の利点はその限定性にあり、通常はメールやWeb、SNSなどは使えないほうがいい。必要な時はタブレットやPCでも使えればよいのだ。ただし、読む時間が少なければ、数千円以上をデバイスにかける意味はない。専用のE-Readerの更新を続けるにはコストがかかるが、それだけの読者層を有している証でもある。 (鎌田、04/09/2015)

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