アクティブスタイラスの標準化のためのコンソーシアム、 Universal Stylus Initiative (USI)が4月23日結成された(→リリース)。創立メンバーには、インテルやレノボ、シャープ、ワコムなどが含まれている。USIの技術には、スタイラス間の双方向通信、タッチ式デバイス、コンピュータ、エンターテインメント機器との通信などがあり、最初の仕様は今秋にも公開がされる予定。
標準化によって市場が拡大する
ポインティングデバイスとしてのスタイラス(尖筆)は、PDAとともに普及したが、タッチパネルが静電容量方式に移行したことで現在は指タッチの陰に隠れてしまった。画面が高解像度になったことで再び注目されるが、単純にタッチするだけでは、指タッチの手軽さには及ばない。高機能化(アクティブスタイラス/アクティブペン)の余地はマウス以上に大きいが、普及には標準が前提となる。これまではワコムとN-trigの2社の独占状態だったが、最近では標準化を見越してスタートアップ企業も参入している。
USI 標準仕様としては、スタイラスおよびターゲット・デバイスの間の通信方式や機能と操作方法、OSとのインタフェースなどが含まれる。標準が出来れば、もともと「ウェアラブル」である筆記具との融合・連携も可能となり、市場が広がることは確実であると考えられている。例えば、感圧センサは2048段階で圧力を感知するが、それはペンを紙の上に走らせる感覚で線の太さを微妙にコントロールできる。Jon Peddie Researchのジョン・ペディー氏は、USI標準によって、2015年の市場規模1億個が2018年には3億個になると予想している。それはアクティブスタイラス製品が安価に得られるというだけでなく、USI標準によって用途が広がるからだ。例えば、電子教科書などではスタイラスが必須となるかもしれない。
USIの会員レベルは、プロモーター、コントリビューター、アドプターの3つのレベルがあり、設立時点では、仕様を提案できるプロモーターに、Atmel Corporation、Hanvon Pentech Co., Ltd.、Intel Corporation、Lenovo Inc.、Sharp Corporation、Synaptics Inc.、Wacom Co., Ltd、Waltop International Corp.の8社 、 採択に参加できるコントリビューターとしてDell Global B.V.、eGalax_eMPIA Technology Inc. (EETI)、Elan Microelectronics Corporation、Focal Tech Electronics, Ltd.の4社が名を連ねている。◆ (鎌田、04/30/2015)