米国図書館協会誌が「デジタル特別号」

ALA_digital図書館のデジタル化を推進してきた全米図書館協会(ALA)は、機関誌 American Libraries の6月増刊号として、デジタル時代の図書館の方向と課題を特集したDigital Futures を刊行、44ページの電子版を一般に公開した。シリーズ5回目となる今回は、注目すべきイノベーション、デジタルプロジェクト事例などが収められている。

デジタル・イノベーションに乗るALA

ALAこの特別号は、ALAの情報技術政策室(Office for Information Technology Policy)のアラン・イノウエ室長が編集長となり、総括論文「デジタルコンテンツ・ポリシーの革命」を共著している。「図書館のイノベーション能力」「図書館・博物館のための全国デジタルネットワーク」「図書館職の変革」といった論文からは、図書館の歴史的役割とデジタル技術の可能性についての楽観が溢れている。ALAのコートニー・ヤング会長も「どの記事からもデジタル革命が提起した機会と挑戦にに取り組む図書館関係者の積極性が感じられる」と述べている。

個人的には、米国大統領府が880万ドルの予算を準備している「図書館・博物館のための全国デジタルネットワーク」(The National Digital Platform for Libraries and Museums)に関する記事、「デジタル情報の保全」(Preserving the Born-Digital Record)、「図書館職の変革」(Transforming the Libraey Profession)、「図書館はポスト・プライバシー時代へ向かっているか」(Toward the Post-Privacy Library?)などをじっくり読んでみたいと考えている。

ALAはデジタル化=インターネットの普及とともに起こる事態をかなり正確に予想していたようだ。イノウエ室長は「現下の課題に対する行動と将来の行動への準備という両面での積極性」を強調しているが、それは過去の実績で証明されている。とくにE-Bookの登場以後の対応は、こうした組織としては異例といえるほど迅速なもので、メディアの歴史的転換期にあって、ビジョンの策定から調査や実験の実施、人材育成、出版社との交渉、政治家の啓蒙に至るまで、驚異的なパフォーマンスを発揮してきた。 (鎌田、06/04/2015)

Scroll Up