モバイルの台頭とTVの凋落

tablet-marketニールセン社が昨年4Qに行った米国の成人(18+)を対象としたメディア利用調査で、タブレットの中心的なユーザー層が、若者ではなく、その上の35-44歳であることが明らかになった。タブレットは大人のインターネット・メディアとして定着しつつある。しかしより大きな地殻変動はTVの凋落だ。それに比べてラジオはかなり堅い。

サービスとデバイスの関係は流動化

nielsen-tabletsニールセンの調査(by Media Life, 04/22/2016)は、年齢を [18-34] [35-49] [50+ ] の3階層(以下、A-B-Cとする)に区分して、1週間のメディア機器別接触時間を調べたもので、TV、ラジオ、TV接続機器(DVD等)、PC、スマートフォン、タブレットについてみている。タブレットが多いのはB年代で3時間51分(33分/日)と、A年代の2時間36分(23分/日)より高いが、C年代の3時間5分(26分/日)には近い。利用目的はWebやアプリ、音楽、ビデオの視聴やSNSが多い。それに対してA年代では音楽やSNSがB年代に比べて多くない。

media_devices数年前までは、タブレット=iPadで、年代別の普及には価格=所得要因が大きいと考えられていた。しかし、Kindle Fireが50ドルで売られる時代では当て嵌まらない。タブレットはPCに替るガジェットというよりは、日常のメディア・デバイスとして普及したので、あとは使い分けのパターンが問題となる。若年層はスマートフォンの比重が大きくなるだろう。50代以下のスマートフォン利用時間は週11時間を超えており、A年代では1時間37分/日と、すでにTVを超えている。

TVの凋落による空白は何を生むか

X vs. Y年代別のメディア利用行動を大きく分けるのは、TVとスマートフォンだ。C世代はTVに親しみ、A世代の2倍以上。スマートフォンの利用は1日1時間に満たない。TVは6時間/日とほとんど中毒状態。生活スタイルの違いを考慮しても、TVの衰退は明らかだ。ここから10年後を占うとすると、TVは確実に減少し、その時間を電子デバイスあるいはTVに接続するメディア機器が占めることになるだろう。TVが映像メディアの中心というよりは、受像機(チューナー)と表示パネルが事実上分離して、有力な映像サービスの一つ、あるいは映像系プログラムのアグリゲーションの一つになってしまうかもしれない。そして人々のメディア行動を支配したTVに取って代わるメディア機器は現れそうもない。

スマートフォンとタブレットを合計したモバイルの合計時間に各年代が費やす時間は、
A: 13時間56分、B:14時間52分、C:8時間27分

インターネット接続機器(TVとラジオを除く)でみると、
A: 20時間8分、B:22時間52分、C:14時間12分

50歳以下は、1日のオンライン・メディア接触時間が3時間前後ということになる。TV対インターネットとしてみると、TVの優位は、B年代で最小となり、その差は1日1時間に近い。
A: 15時間25分、B:9時間12分、C:33時間
年代が下がるほどTVの総視聴時間は少なく、このことは広告媒体としての凋落を促すだろう。 (鎌田、04/26/2016)

参考記事

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  1. […] ●モバイルの台頭とTVの凋落 http://www.ebook2forum.com/members/2016/04/generation-x-is-more-likely-to-use-tablet-than-y/ TVによる時間消費は年齢区分でだいぶ様相を異にするが、意外なことに米国ではラジオ […]

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