Comixologyが定額制サービス立上げ

comixology-hedアマゾンは、傘下のコミック・ストアComixologyを通じ、月5.99ドルで定額制サービス“Comixology Unlimited” を米国で立上げた (1か月試読)。MarvelとDCという二大ブランドは含まれていないものの、主要出版社の数千タイトルを含むもので、もともと定額制と親和性が高いと見られてきたコミックへの導入で影響が注目される。

市場開発のためのインフラ

Comixology_logoComic Book Resources (CBR)は、Netflix や Spotifyのコミック版というよりは、数十本の有名シリーズを含みながらも、多くはサンプラー的性格と評価しており、ストアでの販売を支援し、補完するものと見られているようだ。人気シリーズの"The Walking Dead"にしても、最初の数巻を提供し、病みつきになったら買ってください、という市場開拓的なスタンスが感じられる。そして、Kindle Unlimitedが大出版社をほとんど含まず、自主出版主体で拡大してきたのと対照的に、Comixologyは(直販を行う)二大ブランドを除くが、Image Comics、Dark Horse Comics、IDW Publishing、BOOM! Studios、Oni Press、Kodansha Comics、Fantagraphics、Valiant Entertainmentを擁している。

Attack_On_Titanタイトルとしては、 "Saga""Lazarus""Outcast" "Fatale""Chew" 、"Sex Criminals"、 "Bitch Planet""The Wicked + The Divine"の人気シリーズを含み、また日本の『進撃の巨人』もある。コンテンツは入れ替えがあり、同一タイトルが常に利用可能なわけではない。オフラインの利用限度は50点までとなっている。当面は米国のみのサービスだが、海外からも利用可能となるようだ。

コミックやグラフィック・ノベルのようなローカル性、カルト性が強いコンテンツは、地道に市場を開拓して、ファンを通じて根づかせる必要がある。Comixologyの共同創立者のデイヴィッド・スタインバーガーCEOは、「定額制についての要望は、3年ほど前からあった」と語っている。しかし、利用しやすい価格で最大限の体験を提供するというモデルは、唯一のものでなく、数十万点に達して拡大しているコンテンツにアクセスする一つの選択肢として意味があるという立場で、定期化も定額化も同じ線上にある。

当面Unlimitedは独立したビジネスモデルではないが、市場の拡大が持続的で、様々な入手方法や読み方を共存させられる規模になれば、これをストアとともに二本柱となる可能性はある。Comixologyは「世界中誰でもコミックのファンになってもらう」のがComixologyのコンセプトである以上、Unlimitedとストアの両立は、ゴールに向かって着実に前進していることを意味するからだ。Comixologyの場合、Unlimitedの成功は、中堅出版社と共有することになるだろう。 (鎌田、05/26/2016)

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