KindleにPage Flip機能が追加

pageflipアマゾンは6月28日、Kindleプラットフォームに新しいナビゲーション機能Page Flipを導入したことを発表した。今後数週間でファームウェアの更新として実装されるが、複数個所の参照という、E-Book上で読者を悩ませていた最大の問題の一つがこれで解決されるかどうかが注目される。

サムネイル表示で「高速ブラウジング」

本の中の異なる参照箇所の間を行き来することは、目次や地図、注、文献、補遺を参照する場合など、活字中心の本でもかなり多い。紙の本では複数の指を使うことでできるが、E-Bookは簡単にいかなかった。対応する機能がないか、あっても使いにくいかのために普及していない。参照した後に元の読みかけ部分に戻れなくてイライラされた方は多いだろう。紙の本を真似る一方で、本の構造/機能問題は、UIデザインや標準化など、意外と面倒なことが多いので、正面から取組まれてこなかった。Kindleはページを押し続けると背景情報に行くことができるが、Page Flipは、9ページ分のサムネイルを表示するなど機能を大幅に拡大している。

PagFlip_eReader_670E-Bookの場合、ページをめくって目的の箇所を探す動作は、まったく軽快ではない。紙の本は片手で元の箇所を押さえ、もう一方の手でパラパラめくることも出来るのだが、E-Bookでこうした「高速ブラウズ」に相当する操作を行うには一定のロジックが必要になる。Page Flipでは、ページの中ほどをタップすることで「高速ブラウズ」モードに入り、フリック(指で画面を押してから、さっとはじくように動かす)操作で、高速でなめらかにスクロールしてブラウズすることができる。従来は画面下のシークバーのカーソルとページ数表示を確認しながら、指を押し/離してページを開くものだったが、直接ページをスクロール・表示できる。読んでいたページはサムネイルとページ数で表示されているので、直感的に一動作で復帰できる。

こうした操作UIは、PDFやオフィス系など様々なアプリでも使われているもので、違和感はないだろう。但し、Page Flipは、Kindleフォーマットの機能であって、E-Bookのほうで対応していなければ機能しないので、Kindleストア以外でロードしたコンテンツは対応しない可能性が強い。ストアの書籍もすべて対応しているわけではないようだ。サムネイル表示では描画速度が問題にもなるが、Engadgetのレビューなどによると、動作は軽快で、とくにKindle本の購入前のプレビューに役立つということだ。

サムネイル、タブ、ウィンドウのような表示オプションは、GUIの登場以来の古典的なUIライブラリの一部だが、本の世界に入って来るのは異常なまでに遅かったと思う。アマゾンという良くも悪くも独占的な地位にあるベンダーが導入した方式は市場への影響が大きい。電子教科書などで、このあたりのインタフェースの標準化がどうなっているかも気になる。 (鎌田、06/30/2016)

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