ポッドキャストがリードするマーケティング

podcast2ポッドキャストがとくに米国において有力なメディアとして定着し、成長していることは、オーディオブックやラジオ放送との関連で本誌でも取り上げたが、ジョー・ワイカート氏は書籍マーケティングのロールモデルとして3つの教訓を引き出しているので紹介してみたい。手軽で、リズムが一定、発見がある、というのはネット時代の新しいルールと言えそうだ。

簡単・一定・発見

ポッドキャストが一般に知られるようになったのは、アップルがiTunes 4.9 でサポートした2005年6月以降のことだと思うが、主としてモバイルデバイスの普及とコンテンツ制作・発信が噛み合っている米国では、聴取者は着実に増えている。2013年以降の聴取者数(毎月)は、人口の12%から17%まで増えてきた。1回の長さは平均22分で、毎週更新されている。iTunesにおいてアクティブなポッドキャストの本数は2015年に毎年6万本。

21世紀のメディア(放送、映画、音楽、書籍、雑誌、アプリ、ゲーム…)は、主として人々の時間のシェアをめぐって争っており、TVのような受け身のメディアは、若い世代で衰退が著しい。ポッドキャストが伸びているのは、何といっても、聴取者を開拓するマーケティングのサイクルが機能しているということだ。書籍出版が注目すべき点は、(特別な設備や予算を必要としない)現代のメディア・マーケティングの事例ということのほかに、ポッドキャストの内容は形を変えた本の出版(著者やテーマが共通する)ことが少なくないこともある。

ワイカート氏が注目する「ポッドキャスト・モデル」は、(1)簡単な利用手続き、(2)更新における安定したリズム、(3)別の本の発見の手懸りを提供、という3点だ。
簡単な利用手続き:興味を持ったタイトルについては、著者やシリーズ、テーマで「購読」できる。出版でも、1回のクリックで、将来同じ著者、テーマのコンテンツが出た時に教えてくれるようになっていれば嬉しい。サンプルも含めて指定のアプリやデバイスに送信してくれれば、購入意欲は高まるだろう。

メディア・マーケティングは共通性が多い

NPR一定した発行間隔:人気のあるポッドキャストは、ほぼ一定の発行間隔を保っているものが多い。毎日のものも、週刊のものもあるが、これは読者の時間を予約する効果があり、読まれる可能性は高まる。書籍の出版は、一見してランダムに行われ、古典的な「シーズン制」を維持している出版社もある。読者に著者やテーマで購読できるようにするならば、オーディエンスに価値のあるコンテンツを可能な限り一定の間隔で提供し、関心を繋ぎ止めておくことが必要となる。

発見:読者との出会いの機会はそう多くない。出版者は関連する本を知ってもらうことを考えるべきだ。いまだE-Bookでさえ、裏表紙に広告を入れる例があるが、ほとんど意味を持たない。NPR (National Public Radio)は、新商品の販売に評価の高かった旧商品を使い、そこから関連する新刊に繋いでいく方法をとる。最近では新刊の最初の部分を自動ダウンロードして、再生するばかりにしている。「ワン・クリック・アクセス」を徹底させていった結果だ。

ワイカート氏は、自分が関心を持つ著者やテーマを選んで、最近のポッドキャスト・マーケティングを体験し、出版にも使えそうなやり方を検討することを勧めている。オンライン・マーケティングは対象を問わず有効なものと、対象を選ぶものとがあるが、前者が多いと考えられている。簡単で、リスクも小さいのでテストしてみる価値は十分にある。 (鎌田、06/29/2016)

From 2003 to 2016: The Astounding Growth of Podcasting [Infographic]

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