アシェットがYA向け「ブックトラック」タイトルを出版

Booktrackアシェット・グループ傘下のYAブランド、Little, Brown Books for Young Readersは7月21日、新しいイマーシヴな読書体験を提供すべく、この夏からE-Book用サウンドトラック技術を持つBooktrackと提携した青年向けノヴェッラの新シリーズを提供することを明らかにした。LBの人気タイトルに付けたもので、毎月継続的に新刊を提供していくという。

映画スタイルのサウンドをE-Bookと同期

logo_little-brown-books-young-readersLBBのBooktrackシリーズは、Libba Bray、Laini Taylor、Kami Garcia/Margaret Stohl、 Jennifer E. Smith、Rebecca Serleといった人気作家のタイトルを揃えている。翻訳や映画で世界的に知られた作家と作品がラインアップされている。販売はBooktrack/Hachetteのページで行われ、iOSとAndroid、Chromeのアプリで利用できる。

Booktrackは、映画スタイルの音声(環境音/臨場効果/音楽)を読書の進展と同期させるもので、音量、速度はユーザーが調整することができる。音声トラックのクリエイティブは、映画やTVの映像作品のサウンド・スタッフが内容に即して制作したもので、読者に違和感を持たせず、イメージを浮かび上がらせるのに役立つと思われる。どんなものかは、ともかくサンプルで確認していただきたい。かなり巧くつくってあるので、長文の読書に親しむ以前の青少年には効果的と思われる。同社によれば、これにより、内容の理解で17%、記憶の保持で30%、満足度で35%の向上が確認されたとしている。これまでに40以上の言語で、フィクションを中心に1万6,000タイトル以上が提供されている。

読書体験を拡張するBooktrack

1836012824965436「映画的演出」が嫌いな大人や「.30ウィンチェスター・マグナムの音はこんなじゃない」というオタクはともかく、これからの青少年には音のないストーリーはなじみにくいかもしれない。オーディオブックでも効果音付のものは多いので、Booktrackは(カラオケのような)自分で読むオーディオブックということも出来る。マンガの元祖とも言われる江戸の絵草紙は、文章を補うものとして挿絵を採用して幅広い読者を開拓し、同時に独自の表現方法を創造した。E-Bookでは他のメディアの要素を導入した新しいフォーマットと市場の開発が待たれているが、オーディオブックに続いて新しいサウンド系フォーマットが離陸しそうだ。

E-Bookの「拡張」のにおける重要な焦点は「イマーシヴ」(没入)ということだが、多くのアプリやIOを搭載したモバイル・デバイスで、バランスのとれた没入体験を実現するのは簡単ではないし、浸かりすぎると(ポケモンGOのように)危ないこともある。Booktrackも、コンテンツと使う環境によっては、とくに注意が必要だろう。 (鎌田、07/25/2016)

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