マクミランPronounの著者向け新サービス

Pronoun5月にマクミラン傘下に入った自主出版プラットフォーム Pronounが、新たにブログ (The Verb)を創刊した。記事内容は著者のための編集、マーケティングのハウツー情報で、現代の出版のための実践的知識を提供している。内容は在来出版の関係者にも有効なもので、他のプラットフォームの類似サービスと比べても平均的に質が高い。

自立するする著者を支援

blog-title4自主出版プラットフォームは著者が出版・販売する上でのサポート・サービスを提供する。主要なストアがすべて自主出版者に対応しているので、フォーマッティングでは差別化できず、編集やデザイン、マーケティングに重点が移りつつある。ブログとニューズレターを組合せた形態が多いのは、ユーザーとのコミュニケーションを、対話的で緊密なものとするためだ。PronounのブログはVerb (動詞)だが、計画しているマーケティング・サービスはAdjective (形容詞)で、ニューズレターはAdverb (副詞)と、文法シリーズになるらしい。

The Verbの記事カテゴリは以下の5つ:

  • Data Smackdown(データの知識)
  • Marketing Madness(マーケティング)
  • Tinker Tailor(出版の基本常識)
  • Industry Whatsit(業界あれこれ)
  • Writing (Life) & Hijinks(作家コラム)

アマゾン流を受け容れたマクミラン

作家のブログはとても面白い。税務関係の実務経験のある作家による「IRS(国税庁)とうまく付き合う法」などは、インディーズ出版で身を立てていこうという著者たちへの貴重なアドバイスで、他ではなかなか得られない。

さて、Pronounを買収したマクミランの意図については、6月2日の記事(「Pronounはなぜマクミラン傘下に入ったか」)でも書いたが、データ+マーケティングの強化であり、インディーズを含めた著者の活動支援ということに集約されるが、著者の支援は「自立する著者と付き合っていきたい」ということを意味する。重量級の作家への依存は限界がありリスクも大きいのだ。

メディア(B2C)と書店(B2B)をターゲットとした伝統的なマーケティング/プロモーションは時代に適応しなくなり、出版社はマーケティングの軸を「著者・読者の関係のサポート」に転換したいのだが、それには著者のマーケティング・リテラシーを高める必要があり、つまりは出版社として「プラットフォーム」を遠泳する必要があるという認識に至ったものと思われる。自律した著者を育てることで新しい出版市場を生み出したのはアマゾンだ。出版社はアマゾンのスタイルがデジタル時代の出版の基本であることを受け容れ始めたように思われる。 (鎌田、04/04/2016)

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