Libro.FMが書店でオーディオブック販売

libro_logo米国シアトルに本社を置くA-Bookプロバイダーの Libro.FMは、米国書店商協会(ABA)と提携し、独立系書店のWebサイトの商品ページを通じたA-Book販売を可能とするIndieCommerce プログラムを立ち上げた。アマゾン(Audible)の独占色が強まる市場で、印刷本+A-Bookのセット販売も可能とすることで対抗する。

 Audibleへのオルターナティブ

Libro.FMは2013年に登場した小規模なベンダーで、これまで消費者向けの小売を中心としてきた。仕入れは、B&NやScribdなど多くのベンダーがFindawayを経由しているのと異なり、出版社から直接仕入れて約6万点を確保している。iOSとAndroidのアプリも完全自製した。スタートアップとしての意欲は買える。ABAもそれを評価したと思われる。

プラットフォームであるIndieCommerceのホワイトレーベル・ツールを書店のサイトに組込むと、商品/ショッピング・ページが現れてA-Bookタイトルが販売可能になる。このストアは地域の課税・徴税システムに対応する。すでに160のABA加盟書店がA-Bookを販売しており、拡大が期待されている。

librofm創業者の一人、マーク・ピアソン氏は Good eReaderに新事業のコンセプトを語っているが、地域の書店は地元の読書コミュニティの中心であるにもかかわらず、年率30%で成長するA-Bookの販売に関与する手段がない。そこで出版社、著者と書店のニーズに応えてLibro.FMのビジネスを独立系書店を支援する最初のA-Book企業とすることにしたということだ。巨大な顧客ベースとアルゴリズムを駆使するアマゾンAudibleの販売力に対して、地域書店のローカルなマーケティングで対抗しようというものだ。

Libro.FMは、書店向けにWebサイトのスターターキット(CMSはDrupal 7)のほか、独自のキュレーションで顧客に選んだ本を販促する仕組みを提供しているが、しろうとでも使えるように実際に機能させるには様々なレベルのサポートが必要になると思う。そして最終的に書店側の意欲を決定するのは「販売協力費」あるいはアフィリエイト・マージンだが、それがどの程度のものか、Libro.FMはまだ公表していない。少なくともアマゾンのアフィリエイト以上でないと魅力はないだろう。

コンテンツ販売に書店をパートナーとするプログラムは、E-Bookですでに試されている。Googleが中途で放棄し、Koboが苦戦しているものだ(パートナーはABA)。しかしドイツ/欧州ではTolino(ドイツテレコム)が成功している。成否を握るのは、書店のローカルなマーケティング能力とサービス・プロバイダーのサポートで、「地元」というだけで成功するほど甘くない。しかし、アイデアは正しいので、あとは現場で直面する課題を乗り越えていく意思と能力ということになるだろう。書店をフロントにするA-Bookサービスが機能し、日本でも始まることを期待したい。 (鎌田、11/10/2016)

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