世界の商業出版をリードしてきた「ビッグファイブ」は、2014年に「デジタル転換」の完了を宣言し、E-Bookが音楽業界のような激変を起こさなかったことに安堵した。しかし彼らはデジタルの本質を見誤っていた。転換はまだ中途に過ぎなかったのだ。2016年は、さらに大きな変化がすぐ先に迫っていることをわれわれに示している。
本誌は、2016年のトレンドを、便宜的に以下の10項目に絞った。これに漏れる分は後で補足することにしたい。
出版社と著者との関係の再編成
- 自主出版の勝利と紙への拡大
- 高成長が続くオーディオブック
- 「インテリジェント出版」の拡大:ビッグデータとAI利用
- 学術・教育出版プラットフォームの進化
- オープンソースの普及
- アマゾン書店と仮想/現実の複合
- ビジネスモデルとしてのマルチメディア
- Web化(ネットワーク化=サービス化)する出版
- 音声エージェントと「使える本」「話す本」
そして
- 中小出版社の苦境:淘汰されるか、それとも輝くか
- 米国「ニュースメディア」の自滅と再建
- 印刷雑誌・電子雑誌の危機とWeb雑誌
- 新聞、雑誌の多角化:書籍、映像、ニューズレター
- 日本におけるデジタル化の現状
◆ (鎌田、12/15/2016)