ブライアン・オリアリー事務局長の下でリセットを進めている米国の出版シンクタンクBISGが2017年のプログラムを発表した。毎月2回のウェビナー、年6回のテーマ別セミナー、4回のカンファレンスと、交流・啓蒙のミーティングが多数組まれているが、デジタル時代のサプライチェーン再構築に的を絞っているのが特徴だ。
<サプライチェーン>を中心にした活動計画
オリアリー事務局長によれば、新しい活動スケジュールは、BISGの主導する委員会や主要な活動に連動したもので、成果を公開し、デジタル時代の「拡大出版コミュニティ」の交流と再結集を目指すものと考えられる。毎月のウェビナーでは、第1回目にBISGの委員会活動の内容と意義、参加方法の紹介、第2回目に商品/サービスの最新リリースの紹介をそれぞれ行う。
1月3日開催する第1回ではサプライチェーンを取り上げ、17日開催の第2回はBISGとOutsellとの提携による新サービスを紹介する。その他、テーマとの関連で、メタデータ、コンテンツ構造、主題コードが取上げられる。参加はすべて無料。
ハイレベルの討論を中心とした4回のテーマ別フォーラムには、IDPF/W3C統合の意味という注目のテーマ(2月に予定)、米国市場での ONIX 3.0の事例紹介などが予定されている。これらは会員無料、非会員も「リーズナブルな料金」で参加可能。
デジタル時代の出版の本質が流通を中心とした<サプライチェーン>の再構成であることをよく認識しているオリアリー氏は、オープンなデータの利活用プラットフォームの構築にフォーカスしているようだ。BISGの作業グループが、様々な新しいコミュニティの育成・発展に寄与することが期待される。マーケット・インテリジェンス・サービスのOutsell社と提携したのもその一環で、1月のウェビナーで具体的なサービス/プロジェクトが紹介されると思われる。
BISGの理事長でKaplan Publishinのモーリーン・マクマホンCEOは、拡張された新しい活動計画が「この組織にとって自然なステップ」であると述べ、「私たちは、会員の皆様が業務をより効果的に達成できるよう情報、標準、調査の優先順位を組み替えました。来年なすべきことは、広く会員と産業に貢献することだと考えております。」と語っている。◆ (鎌田、12/01/2016)
- BISG Has Aggressive Agenda for 2017, By Jim Millio, Publishers Weekly, 11/28/2016