ソニーは10型E-Inkタブレットのデジタルペーパー・シリーズの第2世代となるDPT-RP1の資料とプロモーションVを公開した(6月発売予定)。強化されたハードウェアに加え、分割表示などの新機能によって前のDPT-S1に比べて機能性を一新している。国内小売価格(オープン)は、普及価格といえる8万円程度が予想されている。
ソニーの第2世代製品は機能を一新
CPUはクアッド(4)コアのCortex A5で、ページ切替・表示はよりスムーズになった。10型パネル (1650 x 2200)の解像度は150 ppi から 207に向上し、若干ではあるが軽量でスリムになっている。通信はWi-Fiに加え、Bluetooth、NFCの3モード。NFCチップでロックを解除することで情報のセキュリティを高めている。価格も妥当な範囲だが、最大の問題はフォーマットがPDFのみでEPUBに対応していないことだろうか。RP1は教育や研究開発、医療などの現場での使用が考えられるが、EPUB、HTML5ドキュメントの活用場面は拡大している。
10型以上のE-Inkタブレットは、大型E-Inkパネルの性能向上/価格低下によって徐々に製品も増えてきた。中国Onyx製 Booxの最新シリーズは10.3型のAndroidラップトップ (e-Note)も含んでいる。これもソニーと同じくタッチスクリーンとスタイラスの両方を使えるが、キーボードとドッキングすればラップトップPCに見える。Cartaパネルを使用したA5サイズ画面は1404 x 1872の227ppiと、紙に近いものとなっている。
大判のE-Inkタブは、その主用途から「ドキュメント・リーダ」と呼ばれているが、画面サイズは読み取りだけでなく、書き込みやドローイングにも使われそうだ。紙に近い性質によって屋外使用にも使いやすいので、カラー・タブレットとは区別できる。そうなるとフロントライトも欲しいし、メールなどのツールも欲しくなるだろう。解像度が高くなったことで、実質的な表示空間は広がり、複数のウィンドウを使い分ける欲求も強まってくる。ソニーのRP1は、見る/読むタブレットから使うタブレットに一歩踏み出したものと言えそうだ。使えるようにするためには専門辞書などコンテンツ系やコメント共有などのクラウド・サービスのサポートがますます重要になってくる。◆ (鎌田、04/20/2017)