ブック・マーケティングを事業化するオープンロード社 (1)

ORM4ニューズレターを駆使したユニークなマーケティングで、年率40%超の成長を達成しているニューヨークのデジタル出版社Open Road Integrated Media (OR/M)は、登録購読者が100万人を突破し、復刊本を中心とした自社出版物の販売で大きな成果を上げているこのサービスを事業化し、商業出版社に提供することを発表した。

ニューズレターで読者開拓に成功したオープンロード社

early-bird-books-portfolio-16月20日のリリースによれば、同社のニューズレターの購読者が100万人に達する。ニューズレターは、目的・分野別に発行され、「早割」のためのEarly Bird Books、犯罪・ホラー小説のThe Lineup、SF&ファンタジーのThe Portalist などがあるが、これらは2017年のE-Book販売収入を前年同期比で253%の売上増をもたらしている。発表によると、開封率は30%、販売率は28%に上る。前者と後者の関係は不明だが、リスト数の8.4%と思われる。つまり100万通の発送に対して8.4万部の売上ということか。

復刊本を宝の山に変えたOR/Mの成果は、他の出版社からも大いに注目を浴びた。そこで同社はこのサービスを提携出版社にも提供することにした。Hachette Books Group、Crown Publishing Group、HarperCollins Publishers、Macmillan、Skyhorse、Wild Blue Press、Kensington Books、Dunemere、Houghton Mifflin Harcourt (HMH)といった名前が挙がっているが、ビッグファイブから中堅まで広がり、ペンギン・ランダムハウスの有力ブランドのクラウンも加わっている。独自のニューズレターを発行しているところも少なくない。

リストに着眼し、対話を通じて改善

ebb_orimポール・スレイヴィンCEOは次のようにコメントしている。「弊社のニューズレターへの反響は非常に大きなものでした。成功の鍵は、オーディエンスのエンゲージメントを高める独自の手法にあります。消費者が好む本や商品の情報を提供する能力によって、弊社の販売は増加していますが、その成果をもとに外部のネットワークを拡大しようとしています。それによって私どもの読者に、ベストセラーを含むより広い選択肢を提供することが出来るようになります。」

OR/Mは現在、ニューズレターと直結する3つのサイトを運営している(EarlyBirdBooks.com/articles、The-Line-Up.com、ThePortalist.com)。推定ユーザー数は2,200万人という規模だが、今月さらに、ロマンス・ファンの A Love So True、ミステリ&スリラー・ファンのための Murder & Mayhem、歴史・ノン・フィクションのための The Archiveの3つのサイトを立上げる。新しいマーケティング・プログラムにより、これらはすべてのチャネルで販売されている提携出版社の既刊タイトルをカバーすることになる。つづく  (鎌田、08/17/2017)

参考記事

Print Friendly
Send to Kindle

Share