MSとアマゾンが音声エージェントで提携

Cortanaマイクロソフトとアマゾンの両トップは8月30日、Alexaの主要機能(Skill)をCortanaに統合することで協力すると発表した。AIプラットフォームの主要ベンダーの間で相互運用性に関する合意が実現したのは初めてのことで、競合の最も少ない両社の提携は自然だ。Google、アップルの対応が注目される。

互いの得意分野を生かす

150728115916-smart-assistants-figures-780x439マイクロソフトのサティア・ナデラCEOとアマゾンのジェフ・ベゾスCEOによる共同の記者発表によれば、Echo (Windows 10)のユーザーが "Alexa (Cortana), open Cortana (Alexa)"と呼びかけるだけで、それぞれの独自機能を利用出来るようになるという。詳細な実現方法は不明だが、Alexaの開発者やユーザーが提供している2万以上のSkillが利用できるとすれば、MSが年内に発売するCortanaスピーカーの利便性を高めることになる。

ジェフ・ベゾスCEOは、「世界は広く、非常に多面的な事象で成っています。成功する知能エージェントも複数になり、多様な専門領域を持つことになるでしょう。それらがつながることで、私たちが互いに補い合うことで、ユーザーに豊かで有用な体験を提供できるようになります」と述べている。つまり、ユーザーは聞きたい内容によって、使い分ければよい、というイメージだ。AIには得意分野があり、商品やコンテンツに強いアマゾンとビジネスに強いMSでは競合しないから、両者の間ではシナジーが成り立つ。

「モバイル・プラットフォーム」とは別空間

7d5211a0-8d26-11e7-be8b-9c8092b2403a-780x555TechCrunchのナターシャ・ロマス氏の記事 (08/30)は、MS-Az提携をモバイル・プラットフォームの敗者同士の提携(つまり弱者連合)と表現している。MSはWindowsのモバイル化でつまずき、アマゾンはAndroidの方言に甘んじているからだ。しかし、この見方はいかにも時代遅れのIT業界発想(プラットフォーム=OS万能主義)に堕している。

AIプラットフォームは、OSとは違う次元のもので、プロセッサに依存しないAIをOSで支配することは出来ない。マイクロソフトが今日に存在するのは、主にOfficeのレガシー(ユーザー)によるもので、OSのためではない。アマゾンが存在するのも、おもにPrimeやAWSのユーザーの膨大なユーザーを有するためで、特別なデバイスも特別なOSも必要としていない。ようするに、そんな時代ではないのだ。

Alexaの成功は、アマゾンが提供できるサービスへのアクセス手段として機能したからであって、iPhoneの輝きやAndroidの擬態性もないが、そのことが不利をもたらしているとは言えない。また、スマート・スピーカーEchoにしても、OS問題で頭を悩ませたことはない。競争の土俵は変わっているのだ。 (鎌田、08/31/2017)

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