Goodreadsが10周年

goodreads-280x150ソーシャルリーディング・プラットフォームGoodreadsが10周年を迎えた。4年前 (2013)のアマゾンによる買収当時1,600万人だったユーザーは6,500万人に達しており、この買収がアマゾンにとってもユーザーにとって成功だったことを物語っている。しかし、GoodreadsがKindleに先行して生まれその成功の要因となったことを知る人は少ないと思う。

新しい読書体験のプラットフォーム

1364500205-1364500205_goodreads_misc出版は社会的活動であり、読書は社会的/個人的という二面を持つ。商品である書籍が専門の流通を通じて流れ、雑多な新聞・雑誌が書評を読者に対して提供してきたのは、その社会性のゆえだ。Webが個人による情報の収集と発信を可能とした20世紀の最後の数年以来、書籍が最も多く言及されるアイテムの一つになったのには十分な理由があった。

Goodreads(本社サンフランシスコ)は、2007年にオーティスとエリザベスのチャンドラー夫妻によって創業された。親しい友人が集まって、次に読む本が素晴らしい体験となることを期待し、本について語り合う場として生まれた。ユーザーは「本棚」として視覚化されたインタフェースを通じて個人の図書目録を管理/シェアし、書籍や著者に関する議論グループをつくることが出来る(無償)。社会的/個人的という読書の2つの側面をWeb/SNSでうまく切分けられることから、07年12月には65万人、1,000万冊以上の書誌情報が登録されている。

goodreads-appGoodreadsはE-Bookと直接の関係はなかったが、コンテンツがデジタルとなることで「ソーシャル」がより重要になり、その逆も機能することは明らかだった。何よりも、E-Bookと自主出版は出版市場の規模を爆発的に拡大する。伝統的な出版社の選別機能、メディアの書評は対応できなくなり、読者による「ピアレビュー」が意味を持つようになる。E-Bookの誕生(2007)は、じつは出版の供給サイドの革命だっただけではなく、読書サイドの革命を意味したのである。Goodreadsのブックシェルフは、新しい読書体験のプラットフォームとなり、そうしたものとして成長した。

ソーシャル・ブランドの維持に成功

Web上のソーシャル・プラットフォームの成長は伝統的な読書の秩序を脱力化した。著者たちがメディアよりもGoodreadsに目を向けるようになったのは当然だろう。そこには「次に読む本」をキーワードとして集まった数千万人のオーディエンスがいる。ほぼすべての著者はここにブログを開設し、インタビュー・ビデオやサイン会の案内を提供している、出版社も著者に協力していることは言うまでもない。

goodreads-and-amazon1-300x179問題は、Goodreadsがブック・マーケティングのプラットフォームとしてあまりに重要となったために、同社の収益モデルが描きにくくなったことだ。広告はあまりに安易で、オンラインストアとの連携と同様に社会性を毀損する可能性があった。結局、アマゾンによる買収という最も常識的な線に落ち着いたわけだが、アマゾンともども、このソーシャル・ブランドの維持に細心の注意を払った。買収時点に4倍する会員数はその成果である。 (鎌田、09/28/2017)

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