「後悔させない」支払い手段

Flattr_logo広告ブロック・ツールAdblock Plus (ABP)で知られるドイツのAyeo GmbHが、少額(一時)決済サービスのFlattrを5月に買収していたが、新たに定額決済に対応するFlattr 2.0を立ち上げた。「好きな金額で決済」(Pay what you want=PWYW)を簡単にするサービスで、コンテンツ・クリエイターを主なターゲットにしている。

コンテンツにも「おひねり」

Flattr2ベータ・テストを始めたFlattrは寄付のような性格の決済を提供者が任意で利用するものだ。これにクリエイターが対応するには、コンテンツ(記事、本)などをFlattrにリンクするだけでよい。回収された金額は毎月清算、決済される。手数料は決済機関 (MangoPay)の9%のほかに7.5%。最低金額は10ドルに対して3ドル(詳細はブログ参照)。

この種のおカネは気分しだいで惜しくなったりするので、誰もがそれを知っているので慎重になる。サービスは中途解約可能な毎月定額制で利用し、寄付も20日以内ならキャンセルできる。安心して寄付させようという仕組みだ。現在、Chrome と Firefoxのブラウザでプライベート・テストを提供している。手数料は安くはない。

気前のよさ悪さは性格でもあるが、それ以上にその時の気分でもある。極度に移ろいやすいもので、一度は素晴らしく思えたものが、時間をおいて考え直してみれば意外とつまらなくなったり、豊かだったと思っていた自分の財源に不安が出てくれば払った金額が惜しくなったりする。Flattrはそのことを考慮して、かなり慎重に「後悔させない」フローを組み立てている。今年度のノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイヤー(行動経済学)の意思決定モデルなどをベースにしている可能性がある。

PWYWモデルに対応:価格は気分しだい

Flattr_Launch_how_new_flattr_works_for_publishers_creators_usersコンテンツでお金を稼ぐことは、読んでもらうことの1000倍は難しい、とはブログを10年やっていて思うことだが、サイトでのコンテンツ販売やペイウォールにしても、決め手になりそうもない。決済手段は単独で有効なものではなく、コンテンツのタイプやマーケティングの方法と噛み合って機能するものだからだが、これまで長い間、銀振に少額決済に対応するサービスが皆無だったせいで、消費者も販売者も、新しい決済手段に慣れていないし、まだまだ開発の余地もある。PWYWもその一つだ。

Flattrは、英語の 'flatter' に由来するものと思われるが、これは「引き立てる」「おだてる」「うれしがらせる」「お世辞」「よいしょ」といった意味を持つ。サービス提供側の意図としては、通常の料金決済ではない<おひねり>のような性格の現金決済をイメージしていると思われる。つまり、不定額を簡単に、気分よく払える(手数料最小)ということだ。これまで少額の寄付などにもPayPalなどが使われており、<おひねり>用のものは特別になかった。しかし、不定額決済はリスクが多く、手数料は高くなる。そこを下げることが課題だろう。 (鎌田、10/26/2017)

参考記事

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