AlexaとAWSをエンジンに高成長維持

Amazon_logo_xアマゾンは10月26日、7-9月の第3四半期の決算を発表し、売上が前年同期比34%増の437億ドルとなったことを明らかにした。営業キャッシュフローは直近12ヵ月で14%増の171億ドル、フリー・キャッシュフロー (FCF)は、同じく90億ドルから81億ドルに減少した。純利益は2億5,600万ドルといつもながら配当にはほとんど残していない。

Echoがメディアビジネスに成長基盤を提供

amazon-echo-line莫大な利益を計上するアップルとは対照的に、アマゾンの財務は高速でキャッシュを回転させるもので、これは壮観というほかない。8月に13億ドルで買収した大手食品スーパーWhole Foods Market (WFM)もすでに売上・利益に寄与しているが、これを除外しても売上は29%の増加となっている。つまり、既存事業も毎期ほぼ同じペースで拡大を続けている。Q3のハイライトでは、WFM買収以外にはEcho/Alexa製品が強調されている。

  • Echoシリーズに3機種の新製品発売。これによってAudibleやAmazon Musicなど、コンテンツ・サービスなどへの消費につながることを述べている。
  • 4K対応のFire TV発売。 Alexa と連携するVoice Remote の導入、 Alexaの音場制御機能、二種類の音声聞き分け、マルチルーム対応などによる高性能化。
  • メディア企業との協力によるEcho Skillsのサービス機能の拡張により、スキルが2万5,000にも拡大。また、自動車では、BMW、MiniがAlexa Voice Service を導入するなど、Alexaのパートナーが拡大。マイクロソフトとCortanaに関する提携。インドと日本での発売。
  • Alexaの拡販と連携して、Amazon Musicなどのコンテンツ・サービスもグローバル展開を強化しており定額制サービスではすでにSpotifyを抜き、調査会社の推定では(売上で)アップルに次ぐ存在になっているという。
  • Amazon Books は全米で数店舗を開店し現在12店舗に成長した。Kindleに関してはOasis 2発売。

その他ニュースが多いのはAWS関係。マシン・ラーニング(ML)やディープ・ラーニング (DL)などAI環境を提供することで、顧客のAI開発を支援するサービスが本格的に動き出している。とくにマイクロソフトとの提携によるオープンソースのDLライブラリは、メディアビジネスにも大きな可能性をもたらすと思われる。

このデフレ経済の中で、アマゾンは30%の成長を達成しつつ、まったく手を緩めていないどころか、さらに成長を加速させる方法を探っている。そこに無理がないのは財務の健全性を維持していることと、すべての事業が他の事業との補完関係にあること、創業以来のビジネスモデルが長期的な変化を織り込んでいることなどによる。ジョブズ以後のアップルが金融資産を蓄積し(規模はゴールドマン・サックス社の半分にも達する)、リスクが懸念される状態なのとは対照的だ。 (鎌田、10/31/2017)

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