アマゾンKDP「ページ詐取」退治に成功か

kenpcアマゾンは、9月分のKindle Unlimited Global Fund (KU-GF)が1,950万ドル、米国でのページ当たり印税単価 (KEN-PC)が$0.0044253になったと発表した。KENPC v3.0を導入した8月以来、2ヵ月連続の上昇。これが「ページ詐取とのたたかい」に勝利したことを示すどうかは即断できないが、7月に記録した低水準 ($0.00403)は脱したものとみられる。

KENPCが2ヵ月連続で回復

今回の発表の最大の注目点は、版権者の印税単価の減少をもたらしているとされた「ページ詐取」問題への一連の対策の有効性だ。Kindle Unlimitedは2014年7月以来、39ヵ月間稼働を続けているが、利用量が着実に拡大してきたなかで、今年3-6月の増加が20万ドルとほぼフラットとなった。KENPCも下がっており、この時に「ページ詐取」が数十万ドル規模で発生した可能性が高いようだ。この夏の対応にはKENPC v3.0の導入や、基金の増額 (10万ドル)、「容疑者」への実名告発を含む措置が含まれる。

scam2発表数字から判断する限りでは、かなりの改善が見られる。8月の前月比3.9ポイントに続いて5.6ポイントの上昇で、2ヵ月で10ポイント近く上昇した(日本も同程度上昇している)。ほぼ$0.005ドルでスタートして以降、0.004近くまで2割近くも低下した後に反転したわけだが、ハイシーズンに向けてどう変化するかが注目される。筆者の雑駁な印象では、詐欺師たちが新しいテクニックを考え出すまで、当分は落ち着くと思われる。

個々のタイトルによって時には大きく変動する販売市場と比べて、定額サービスにおいては、利用量に対応する月次、年次の印税支払額が基本的にほぼ一定の増加率で上昇していくのが健全な状態である。逆に、フラットになれば既読ページ数(利用数)、有料会員数が増えていないことを意味する。会員数も既読ページ数も増えて印税単価が減れば「ページ詐取」に対するシステムの欠陥のせいで水道の漏水のような故障事態が発生している可能性が大きいことになる。

9月までの直近12ヵ月間にアマゾンが支払った印税総額は、ボーナスを除いて2億1,300万ドルに達した。著者/出版者にとっては、E-Book市場でアマゾン、アップルに次ぐ3番目のチャネルということになる。月次で傾向を見ると、毎年2月にホリデー・セールの反動で落込むほかは毎月10~50万ドルの範囲で上昇している。つまり上昇は鈍化し、2年度目は83.3%、3年目は23.8%となっている、2017年7-9月も20%台の成長が予想される。 (鎌田、10/17/2017)

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