自主出版のISBN登録が緩やかに拡大

Bowker_logo米国のISBN発行機関であるバウカー社は、ISBNに登録された印刷本とE-Bookの自主出版物の発行状況(2011-16年)に関するレポートを発表した。2016年の出版点数は、印刷本が前年比11%増(2015年は34%増)、E-Bookが3%減(2015年は11%減)となっている。同社はこれらの数字が自主出版市場の成熟を示すものと考えている。

自主出版ISBN本は印刷本が6割強

Bowker_repデジタル市場が発達した米英の出版統計が、フォーマットとチャネルと発行主体で分裂し、全体像を把握しにくくなって久しいが、出版業界と紙に偏したAAP、「オンライン」に偏したアマゾンに比べると、バウカー社のISBN統計が最も客観的な数字と言える。問題はE-Bookの登録促進努力を続けており、2011-16年で自主出版E-Bookの登録が2倍以上の15万点あまりに達したことは評価できる。最新のレポート 'Self-Publishing in the United States, 2011-2016 Print vs. Ebook' (09/12/2017) は、アマゾンというプラットフォームに必ずしも依存しない自主出版を見る上では最重要なデータを与えてくれる。

bowker-selfpublishing-report2016 レポートは、印刷本とE-Bookの合計 (P+E)と印刷本のみ (P)、E-Bookのみ (E)の3つの部分から構成されており、CreatespaceやSmashwordsなどの出版支援サービスのほか、年間10点以下を発行するDIYの小規模出版者や組織については Small Publishers として一括されている。2016年は、P or Eでは8.23%増の786,935点。うちPのみが67.7%、Eのみは18.8%となっている。

サービス別ではトップのアマゾンCreatespaceが18.25%増でシェア63.7%、Smashwordsがシェア11.3%、LuLuが9.6%。昨年大きく躍進したBlurbは3割あまりの売上減で2.3万点に止まった。アマゾンが売上を増やしたのは、著者の印刷本重視とそれに応えられる販売力を背景にしているためであることは容易に想像できる。

さて、ISBNの価値はもっぱら書店流通にあり、アマゾンKDPだけでよいなら(コストの割に)ISBN登録の必要性が乏しいのは当然だろう。バウカーのEデータにはアマゾンはなく、上得意はSmashwordsで60%を占める。しかし、これも2014年の11万2,483点をピークに減少傾向にある。ISBNの登録を無償化するのがベストなのだが、「既得権益」となったものを放棄させること難しいものはない。 (鎌田、10/17/2017)

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