Wattpadが定額サービスを開始へ

wattpad_premiumソーシャルライティング・プラットフォームのWattpadが定額サービスを始める。月額5.99ドルで年間59.99ドルの料金で提供する。とはいえ、もともと無償公開されているものからどうやって料金を取るか。同社は「広告なしで読める」ことに価値があると考えた。熱心なファンが多いことを評価してのものだが、「アド・フリー」にどれほどの価値があるだろうか。

フリーはフリーでも「アド・フリー」

adfreeそれは本当に読みたいものがあり、うるさい広告から離れた、イマーシヴな環境で読書に浸りたいユーザーが何人いるかということにほぼ等しい。なぜなら、無償で読みたい従来のユーザーには同じものが提供されるからだ。米国とカナダを対象としたサービスの名称はWattpad Premium。有償の「アド・フリー」オプションがついたアプリは、ユーザーからのリクエストが多いものだったという。CEOで共同創業者のアンディ・ラウは、ユーザーを信頼し、かつ著者たちが最も喜ぶ方法を選んだと言えるだろう。

allen_lau.jpg.size.custom.crop.1086x725ソーシャル・ビジネスが認知され、持続するためには、こうした「徳を積む」経営が不可欠だ。しかし、これまでの「ソーシャル」ネットワーキング・ビジネスでそれが実践されていると感じる例は稀であった。ラウ氏はスケールの大きな人物だ(たぶん懐も)。アマゾンの顧客第一主義のように、ビジネスの「継続性」をROI以上の価値と考える企業は、非伝統的ビジネスモデルを用意しておかなければならない。

Wattpadは、近年のデータ・プラットフォーム化と多メディア展開に示された斬新なビジネスモデルで出版界を瞠目させた。6,000万人を超える読者と約250万人の著者によるアクティブなコミュニティを背景にした出版の収益事業化はほぼ成功を目前としている(企業価値評価の上では)。「アド・フリー」を価値とするユニークな購読モデルは、コンテンツの品質とユーザーの信頼、そしてそれを背景にしたWattpadのマーケット・インテリジェンスの価値を示すものとなるはずだ。Wattpadの定額サービスは、販売の補完としての定額ではなく、ソーシャルなメカニズムの部品の一つという位置づけだ。 (鎌田、10/24/2017)

 

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