Audibleが「ホット」な定額サービスを開始

audible_logoAudibleは、恋愛小説ファンにフォーカスした定額サービスAudible Romanceをスタートさせた。月15ドルと高めだが、約1万タイトルを読み放題というもの。これまでこのジャンルは定額制サービスでは外される傾向があったが、この場合は、様々な定額制サービスが複線化したことで可能となったものと思われる。

データ駆動がサービスを高める

50265-v1-600x料金は月15ドル、既存のAudible定額およびKindle Unlimitedの会員は7ドル。タイトルリストは約1万だが、41種の小分類(ロマンチック・スリラーなど)、130種のストーリー分類の中から探し出して、サンプルを聴ける。インタフェースも改善され、聴きどころに飛べる 'Take Me to the Good Part' は編集者が選んだ「記憶に残る10ヵ所の聴きどころ」にアクセスできる。また、'Steaminess Score' は5段階の 'Sweet' から 'O-O-OMG' まで刺激の強さを5段階表示して興味をそそるようになっている。

これらはユーザーのエンゲージメントを高めて読書体験を印象深いものにする仕掛けと言える。サービス・インタフェースの改善にはデータサイエンス・チームが協力しており、'Steamy' (そそる)レイティングはその成果だという。顧客をよりよく知ることでより大きな満足と会員拡大につながるが、これはジャンルを絞るほど精度を上げられる。その成果は一般向けのサービスにも応用されていくだろう。ちなみに、編集者とデータサイエンス・チームの連携は、アマゾンのパフォーマンスを業界水準よりかなり高いものにしている。編集者は本とその読者について最もよく知っており、その知恵はデータによってさらに高まるはずだ。

リスクも魅力も大きい「ホット」ジャンル

定額サービスは、平均的な利用パターンの会員を多く得ることで成り立つが、逆に恋愛、推理、SF、ホラーなど特定ジャンルに固まるファンは、月間10点、年間100点を超える猛者も少なからずおり、彼らは購入金額を抑えるために定額制を利用する可能性が高い。サービス側は赤字になるので、慌ててリストや利用回数を制限すると「読み放題」ではない、というクレームも大きくなる。

料金モデルと顧客の属性、コスト/収入の関係などによる複雑なシミュレーションで最適解を得るのだが、シンプルにするのは簡単ではない。だから、最初はリストを絞って不採算になるのを回避するのだが、それでは影響力の大きいヘビー・ユーザーを逃してしまうので、シミュレーションをやり直して新しいパッケージングと料金で難しい顧客層に訴求する。最大手のAudibleは、そうしたきめ細かい対応を取れる余裕も大きい。 (鎌田、11/02/2017)

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