「未来」への対話 W3C Publishing Summit:(1)課題

W3C_PBGW3Cは11月9-10日の2日間、サンフランシスコにおいて2月のIDPFとの合併後の最初のイベントである Publishing Summit を2日間にわたって開催し、EPUBの発展方向を中心に議論した。出版、図書館、IT開発などの関係者から経営者、クリエイターまで約200人が世界各国から参加した。Webとの対話による出版の新しい展開が始まった。

出版とWebを進化させるために

2日間にわたる議論や発表の詳細には目を通していないので、とりあえずPublishers Weekly の記事 (11/13, By Jason Boog) によりながらみていきたい。

Summit_panelW3Cのジェフリー・ジャフェCEOは以下のようなメッセージを述べている。
「Open Web Platform とそのテクノロジーは、オンラインでもオフラインでも、コンテンツをつくり、拡張し、発見し、配布し、消費する方法として不可欠なものとなりました。出版とWebを進化させていく上で取組むべき現在と将来の問題について対話し、ともに考えていく重要な機会であるPublishing Summitに参加されることを期待しています。」

McCoyまた、IDPFから引き続いてプロジェクトをリードするビル・マッコイ氏は以下のように述べている。
「私たちは出版業界の中で出版とWebプラットフォームの将来について対話を行う必要があります。しかし、その対話は、Web技術者たちが締め切った部屋の中で集まってやっても意味がありません。そうではなく、実際に商品をつくる人たち、ソリューションを考え、コンテンツを製作している人たちとともに行うのです。いまここにそうした人々がいます。」

未解決なフォーマット問題

パネルでは各国でのEPUBの普及状況が紹介されたが、日本では多くのE-Bookで最新のEPUB3が多数を占めていると紹介されたのに対して、アルゼンチンのパネラーは、「ラテンアメリカではE-Bookの品質が悪く、出版社もEPUB3がへの移行に意欲を持っていない」と悲観的な現状を伝えた。ペンギン・ランダムハウスでE-Bookの商品開発担当のVPでIDPFの理事を務めていたリーサ・マクロイ-ケリー氏は、EPUBが在来の本だけをカバーするものではない点を強調し、これを「より広いコミュニティ、広い環境の中に導入しようとしている」と述べた。

pop_up同氏によれば、PRHではE-Book化できない印刷本のリストはなお膨大にあり、主な理由が現在のE-Bookフォーマットにあることを指摘している。例えばポップアップ(飛び出す絵本)、フラップ(開閉式)、touch and feel(さわる・五感の本)、そして3,000点以上の図版を収録した本など。どうやらPRHは、印刷本の中でも特にニッチなフォーマットをVR/ARなどの現在と未来のテクノロジーでデジタル化することに関心を持っているようだ。

アクセシビリティもサミットの主要テーマの一つだった。DAISYコンソーシアムのジョージ・カーシャー氏は、障碍者にとってのデジタル出版の重要性を訴え、情報へのアクセスをより容易にするためにテクノロジー標準をさらに前進させる必要を述べた。(2)に続く  (鎌田、11/16/2017)

参考記事

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