「抜粋」共有のプラットフォーム化の可能性

buk2The Digital Reader (11/16)が、本の抜粋を共有するためのプラットフォームBukを紹介している。まだ開発段階だが、これまでKindle環境以外に有効なクラウド・ツールがなかっただけに注目してよいだろう。本をめぐるコミュニケーションの重要なノードである抜粋を管理することで多くの情報が得られ、マーケティング上での価値を持つ。

データ化でパーソナライゼーションなどで使える

Bukについての詳細は不明だが、サムスン出身のカン・ミンスという韓国人の創業になるスタートアップのようだ。紹介によれば、すでに約5万点のパブリックドメイン・コンテンツと有償本を提供しているほか、出版社/著者はEPUBコンテンツをアップロードし、主にTwitter上に埋め込んだ抜粋リンクを使って販促し、ブラウザやモバイル・アプリで販売、Bukが3割の手数料を得るというビジネスモデルだ。ビジネスモデルとするには欠けているものも多いが、抜粋に目を付けたのはよい。

beforeafter-bukio-whats-possible-with-bukio-now-7-638書籍の抜粋は出版において重要な機能を持っている。一般的に、本の内容を示すのは目次で、概略は梗概、説明は「前書き・後書き」などで提供されるようになっている。それらに対して抜粋は、著者が本文中に示したエッセンス、メッセージに相当するものといえるだろう。プロモーションで重視されるのは、もちろん読者へのアピールとなる場合だ。書評などで引用される可能性が高いほか、読者が友人などとのコミュニケーションで使うこともある。SNSを含めたWeb上の読書空間ではノードにもなる。とはいえ、これまで抜粋を活用する環境は未整備だった。

抜粋が機能するためには、本が持つ「知識のネットワーク」としての機能を構造化して様々な角度から構成し、書誌情報やコメントなどとともに解析・表示するメカニズムが必要だと思われる。それによって、本の見つけやすさ/見つかりやすさが格段に向上する可能性がある。推奨エンジンの精度も高まるだろう。 (鎌田、11/30/2017)

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