もう一つのデジタル革命 (1):表舞台に立つオーディオブック

smart_sp2米国の公共ラジオ(NPR)とEdison Research (ER)は、音声応答サービスを利用したオーディオメディア・サービスである「スマートオーディオ」に関する全米調査を実施し、レポートを発表した。普及の最初期の段階でこのメディアの性格と可能性を十分に示した点で意義がある。オーディオブックにとっては新しい跳躍台となることを確信させるものだ。

ネットワーク型オーディオ・メディアの誕生

SmartAudio-header-4-01-01調査の方法は、18歳以上を対象にした1,620件のサンプル調査と、15件のインタビュー調査に基き、800人のスマートスピーカ (SS)保有者、820人の非保有者を比較している。データは、ER社が1998年から継続している Infinite Dial 2017年3月の年次調査におけるスマートスピーカ保有率で重みづけしている。後者によれば、12歳以上の米国人の5%がAlexa、2%がGoogle Home、7%がいずれかを保有していると推定されている。台数は1台が58%で、2台(24%)、3台以上(18%)で、45%が「また別のを買う」としており、モバイルデバイスと比べて複数台保有への傾向が顕著であることが早くも窺える。

SSの設置場所では、居間が52%で台所が24%で続き、主寝室 (12%)、その他寝室主寝室 (5%)、ホームオフィス (4%)、その他 (3%)となっている。これは利便性を確認した上で増やしていく、というスタイルが定着していることを示している。満足度はかなり高く、最初の1ヵ月で使用頻度が「増えた」という回答は47%以上、「ほぼ同じ」が36%、「減った」のは17%である。TVとは違う、新しいネットワーク型ホーム・メディアの誕生と見てよい。

ユーザーは何を聴くのか

purchase_anotherSSの購入理由(複数回答)では、「音楽鑑賞」が90%なのは当然として、「質問をする」 (87%)、「ニュースなどを聞く」 (77%)、ラジオを聴く (66%)、ポッドキャストを聴く (40%)、旧いラジオと交換 (39%)、子供をあやす (36%)、介護 (28%)などとなっている。ホームデバイスのコントロールは48%。そしてオーナーの42%は日常生活に欠かせないものとなったと回答し、65%がSSなしの状態に戻りたくないとしている。まったく新しいメディアとして、対応するデバイスやサービスが少ない状態での調査としては非常に高いことは間違いない。

NPR/ERの調査は、SSで日常的に行うタスクを情報の種類別に質問している。50%以上は、音楽 (68%)、天気 (58%)、一般的質問 (52%)で、40%台がニュース (45%)、時刻・アラーム (43%)、30%台が地上波ラジオ (38%)、デバイス制御 (33%)、地上波ニューストーク (32%)。20%台が予定追加 (26%)、スポーツ結果 (26%)、買い物リスト追加 (26%)、トラフィック (24%)、予定表 (23%)、ジョーク (22%)、地上波スポーツ放送 (22%)、料理リクエスト (22%)。10%台がゲーム (18%)、ポッドキャスト (17%)、株価(16%)、翻訳 (14%)、オーディオブック (14%)、子供への読み聞かせ (14%)、地元企業の検索 (13%)、食料品の注文 (13%)、ワークアウト指示 (12%)、注文 (10%)、航空情報 (10%)。これら28のタスクのうち、ほぼ毎日やっているのは7.5ということで、使用頻度はかなり高い。 (鎌田、12/28/2017)

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Comments

  1. 『脳が良くなる耳勉強法』(上田渉 著)にオーディオブックを使うメリットがいろいろ書かれています。