digiPubはハイブリッド・メディアとなるか

digiPub11月16日にニューヨークで、出版系B2BメディアのNAPCO Media の主催により、データ駆動型印刷にフォーカスした digiPub という最初のイベントが開催された。PoDに関連した話題なので、こちらの紹介をしておきたい。雑誌・書籍・広告を中心に、デジタルによって印刷媒体のコスト上の弱点を低減することを本気で目指しているイベントだ。

雑誌・書籍・広告で期待される印刷媒体

digital_printNAPCOのデニス・ウィルソン編集長はこう述べている。「デジタル印刷、データサイエンス、マーケティング・オートメーションにおけるイノベーションが最適配置に近づくことで、マーケターがオンラインマーケティングの計測性と印刷物の影響力を結合させる機会が訪れた。こうした動きは堅固だが弾力性のあるコミュニケーション・チャネルをめぐる新しい興奮をもたらさずにはおかない。」

つまり、digiPubは (1)デジタル印刷と出版、マーケティング、広告におけるITの統合により生まれる新しいメディア技術、(2)オン・オフラインの結合により、デジタル時代の広告媒体に求められる要求と印刷物のインパクトを両立しようというものだ。逆に言えば、この10年あまりの間、出版と広告のデジタル転換が進行する一方で、デジタル・メディアの弱点も見えており、前者の衰退と後者の限界を見据えた上で最適化を図るならば、むしろ新しいチャネルともなり得るという熱狂に近いものが生まれているように思われる。その舞台が広告ビジネスの中心、ニューヨークとなったのも当然だろう。

デジタルの弱点をカバーする

digi_marketingデジタル革命は印刷メディアの衰退とともに進行したが、デジタル広告は順調に伸びている割に費用対効果(つまりカウントの実効性)はまちまちで、必ずしも広告主の納得を得ていない。計測可能なUI/UXのデザインはまだ未成熟で、オーディエンスのインパクト、インタラクションを高める技術は急速に進むものではない。そもそもオーディエンスはデジタル情報の海の中におり、ユーザーによっては「対話的」な仕掛けにも辟易しているように感じられる。そこで、かつての静止的広告の強さを再評価すべきということになる。たしかにTV広告と半世紀も張り合ってきた印刷広告には捨てがたいものがある。

ただし、以下によって印刷を使うコスト効果を飛躍的に高めることが条件だ。そしてコンテクストさえ間違わなければ印刷メディアは衰退を続けることはない。

  • パーソナライゼーション
  • 計測性
  • オムニ・メディアによるフォローアップ

筆者の注目は、同じ技術は広告の有無にかかわらず適用可能であり、書籍・雑誌の採算性も変わってくるということだ。例えば地域の印刷センター/書店がオーディエンスのプロファイルに最適化した印刷メディアを販売を行うようなこともあり得ないわけではない。 (鎌田、12/07/2017)

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