スマートフォンの再来は本当だった

NPR_SAR米国の公共ラジオ放送NPRがEdison Research と年末に行った調査で、休暇期間中にスマートスピーカを入手した米国人は7%に上り、普及率は16%となった。そして保有者の30%はTV/ラジオでの消費時間を減らしたと回答している。この傾向は昨年夏の調査でも確認されており、この音声駆動デバイスが旧放送メディアにとっての脅威となることは確実とみられる。

TVとスマートフォンから時間シェアを奪って浸透

SAR_media_r米国人にとってTV/ラジオは不動のメディアであり、PCやモバイルによっても、その視聴時間はほとんど影響を受けてこなかった。今回の調査では、音声駆動スマートスピーカ(以下VASSとする)が盤石の旧メディアの地位を揺るがすかどうかに注目が集まっていた。調査の方法は、全米の18歳以上の1,010人をサンプルとした電話調査 (12/26-31/2017) と806名のVASS保有者を対象としたオンライン調査 (11/17-22/2017)による。16%という普及率は1年前と比べて2倍以上で、人口にして3,900万人と推定される。普及のペースは、スマートフォンに匹敵し(2010年春で14%)、ガートナー社が2020年に75%としているのも頷ける。

さて「VASSで使った時間は、それまでどんなメディア機器で使っていた時間でしたか」という質問には、ラジオが39%、スマートフォンが34%、TVが30%で、タブレット (27%)、コンピュータ (26%)、印刷物 (23%)、ホームオーディオ (17%)と続いている。ラジオ/TV (69)、モバイル (61)、印刷物 (23)と、新旧メディアから万遍なくシェアを奪い、米国人の生活に浸透している。そして「最初の1ヵ月と比べて利用時間は増えましたか」という質問には、より多く (51%)、ほぼ同じ (33%)、減った (16%)という割合で、満足度はかなり高いことが分かる。

スマートスピーカは「共同性」を回復する

communal-use-of-smart-speakers-edison71%はオーディオコンテンツの消費を増やし、66%は家族や友人との利用を楽しみ、64%はホームコントロールに利用することに関心を示し、61%は自動車での利用を検討しているといった数字は、これまでのパーソナル・メディアとはまったく異なるもので、新しい可能性を感じさせる。こうした「共同性」を感じさせるものはTV以来だろう。そうして考えると、VASSがTVとスマートフォンからそれぞれ時間シェアを奪っていることも理解できる。

NPR_SAR_buymediaVASSにとって重要なことは、音声アシスタントによる「スマート」機能が、着実に利用時間、デバイス、場所、コンテンツ、サービス、消費金額を増やしていることだ。保有台数や普及率の上昇はその結果と指定意味を持つ。その意味で、メーカー別シェアでアマゾンAlexa対応製品が約3分の2、Google Homeが4分の1となっていることは、3番手以下のメーカーには重たい数字だろう。つまり、デバイスの勝負はすでについており、市場としてはモバイルとまったく違う展開となるからだ。

NPR/Edisonのレポートは、音声メディアのスペシャリストの手になるだけに、メディアとしての使われ方、目的、利用場面、時間帯など、回を追うごとに調査項目が充実しており、マーケッターにとって貴重な内容となっている。 (鎌田、01/16/2018)

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