Smashwordsが10周年

Smashwords_logo2自主出版プラットフォームのパイオニア Smashwords が今年5月に10周年を迎える。創業者のマーク・コーカー氏は、例年のように2017年のパフォーマンスの報告と新年の計画をブログで綴っている。良心的経営姿勢で知られる同社が、アマゾンKDP Select とUnlimitedで著者を確保するのが困難になる中で、昨年も黒字を維持したのは立派なものだ。

奮闘するSmashwords

同社の出版点数は昨年末時点で47万2,100点で、前年の437,200から8%伸びた。登録著者は13万5,175人、こちらも前年の127,500人から8千人と6%の増加。利益については「不振が続く業界の中で、負債もなく健全な状態を保っている、としている。同社のビジネスモデルは、卸 (Apple、Kobo、Scribdなど)と小売 (Smashwords Store)だが、いずれも控えめながら増加したようだ。2015年に定額制のScribdが恋愛小説の扱いを停止したことで同社向け販売が大幅に落込んだが、徐々に回復とのこと。

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Smashwords Storeは版権料が最大80%(つまり手数料は20%)で販売プラットフォームでは著者に最も有利なものだが、年に2回の販促週間や著者が設定できるSpecial Dealsの追加など効果が出版者に認知されてきた。その他サービスの改善としては、支払サイトを四半期から毎月にしたこと、Bibliotheca cloudLibrary(旧3M)との契約による取扱図書館の増加、 Global Pricing Control機能の追加による海外販売における価格変更の容易化、一部出版カテゴリの管理強化、Smart Authorポッドキャストの開始などが挙げられている。2018年の計画としては、Webサイトの改築、マーケティング・ツールの強化が目玉となるそうだ。

毎年行っているサーベイでは、売上が最大になる最適価格を発表しているが、$3 (2.99)、$4、に加えて$5が「スイートスポット」に加わった。これはしっかりした読者層を確保している著者がいることを示している。また「発売日前の予約」がとくに効果があることも明らかになっている。

マーク・コーカー氏の年頭ブログは、市場を俯瞰し、問題点や課題を指摘する点で多くの人に注目されてきたが、近年はKDP Selectで著者を持っていかれた憤懣から、言わずもがなのアマゾン批判に終始する傾向が鼻についていた。というより心配していたが、今年は本来の前向きな姿勢が戻って安心した。インディーズ出版は始まったばかりで、著者と読者をつなぐ方法はまだ変化の余地がある。現在のKindleが最終的な解であることはありえない。それはアマゾンが知っている。 (鎌田、01/11/2018)

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