フィリップ・カーン語る:パラダイムシフト (1)

PKahn4現代の数多の天才の中でも、フランス生まれのフィリップ・カーン (1952-)は異彩を放っている。この30年あまりに4つの領域で重要技術を発明し、複数の有名IT企業の創業を技術的にリードし、現在はIoTやAIプロジェクトの中心にいるが、数学者で音楽家としても知られる。筆者の友人のロベルト・ジカーリ氏がAIを中心にした現代のテクノロジーについてインタビューしているので紹介する。

話題はほぼ4つに分かれ、彼が発明したカメラ付携帯電話とイノベーションについて、Web革命と情報共有、ニュースについて、現在取り組んでいるIoTやAIのプロジェクト、そしてAIが変えると考えられている未来について。(原文は、Roberto V. Zicari, ODBMS Industry Watch, 01/27/2018) に収録されている。)

イノベーションについて

PicturePhoneQ1. 20年前、あなたは1年をかけて Picture Mailと呼ぶ、Webベースのインフラストラクチャを開発しました。今日フォト・シェアリングと呼ばれるものですが、この技術が iPhone、Snapchat、Instagram、Facebook Liveなどとなって実用化されるのにこれほどの時間がかかったのはなぜでしょうか。

PK. テクノロジーの実用化には時間が掛かるものです。私たちは写真を一度保存すると数千の人にリンクバックが通知される仕組みを設計しました。今日使われているものと同じです。必要に迫られて関数をつくったのですが、当時は携帯カメラに使うような無線通信はせいぜい1200bpsと遅く高価なものでした。今日のFacebookなどで使われているのは数百万あるいは数十億という単位ですが、アプローチは同じです。

Q2. その当時、コダックやポラロイドその他のカメラ・メーカーは、すべてワイアレス・カメラのプロジェクトを持っていました。将来がスマートフォンの中のデジタル写真にあることに考えが及ばなかったのでしょうか。

PK. 考えていましたよ。私は彼らすべてに会って私のソリューションを話しましたがどこも採用しませんでした。それは彼らのビジネスが出来上がっていて、まだ待てると考えていたからです。パラダイムシフトを見逃していました。それは既成の企業にとっては困難なことなのです。携帯電話のトップにいたノキアがスマートフォンで消えたことを見ても分かります。(つづく) (鎌田、02/09/2018)

Print Friendly, PDF & Email
Send to Kindle
Pocket

Share