Scribdが「読み放題」に復帰

scribd_simbol2016年に定額制のフルサービスを一部停止していたScribdは2月6日、月額8.99ドルで無制限のE-Bookとオーディオブックへのアクセスを再開したと発表した。トリップ・アドラーCEOは2017年の会費収入が5,000万ドル以上、会員が70万人で年率50%以上で上昇していることを挙げ、採算の目途がついたとしている。

「無制限への制限」を調整

scribd_npaperこれまでの利用制限は月3点のE-Bookと1点のA-Bookという微妙なもので、事実上定額制のレースからは撤退したように見られていた。ともかく「復帰」したことは称賛される。定額制は出版者、ユーザーとの合意によって持続可能なバランスを見出すことから本当の意味でスタートするものだが、それにはそれぞれの忍耐と相互信頼が必要となるからだ。Scribdは最初のテストをクリアしたことになる。

「私たちはカタログにあるどのタイトルについても毎月何冊でもご利用いただけることをお約束いたします。時には特定のライブラリのタイトルへのアクセスを30日の間、制限させていただくことがあるかと思いますが、これは他の「読み放題」サービスでも行われていることです。」

scribd-ComicsDevicesTraditional「無制限」への制限が現実にどのように運用されるか、利用が集中した場合にどのような事態が起こるかは分からないが、この2年間の間にタイプと発生確率のについてのデータが得られたのだろう。100万あまりのカタログの点数や出版社との関係は変わっていない。これはScribdのサービスへの信頼を維持できたことを示している。カタログ点数はアマゾンKUの170万点と比べると少ないが、同じものではないので単純比較は困難だ。基金方式のアマゾンKUは、毎月著者に2,000万ドルあまりを支払っている。

「読み放題」は定額制サービスの重要なキーワードで、利用タイトルの数やジャンルに制限がつくと魅力が減じるとされる。ScribdやOysterは版権者には魅力的な「疑似印税方式」でスタートしたが、後者は採算割れで廃業に追い込まれ、Scribdも大幅な利用制限に追い込まれた。マンガでなくても「本の虫」はばかにならない。基金方式のアマゾンは相対的に安全だが、日本のマンガでは躓いた。アマゾンは、定額制を読者を拡大することで、単品販売市場を支える重要なツールとして役立てているようだ。市場には多様性が必要なのだ。 (鎌田、02/08/2018)

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