プラットフォームを目ざすKindle Singles

short_storiesアマゾン出版(APub)が独自性を本格的に発揮し始めたのは、Kindle Singlesあたりからだと思われる。ビッグネームとの提携で Singles Storeというストア・ブランドを成功させたジュリア・サマーフェルド編集長はさらに、Amazon Original Stories (AOS)というオリジナル短編を立上げた。予想通り、Singlesじたいがプラットフォーム化してきたということだ。

Good eReader (03/02) がサマーフェルド編集長とのインタビューを掲載しているのでポイントを紹介しておきたい。

ストアと出版の両輪で

Amazon Original Stories

JSommerfeldストアとしてのKindle Singlesは、他の出版社やKDP著者による、フィクション/ノン・フィクションの2,000点以上の短編コンテンツを提供している。最近始めたAOSは、独自の企画・編集によるオリジナル・タイトルで、有名著者や新人を含む。ジョイス・キャロル・オーツ、ディーン・クーンツ、ニック・マクダネル、スーザン・ストレイト、コリン・ウォーナー、カール・キングらの作品が話題を呼んだ。これまでの活動で、雑誌のページには多すぎ、単行本には短すぎる長さ(5,000~3万語)のコンテンツに出版空間をつくることが出来たと考えている。しかし Singlesは、読者と作者/作品の両方からアプローチすることでさらに進化しようとしている。病みつきになるようなジェームズ・パタースンの短編スリラーからノン・フィクション・ライター、ジョエル・ドラッカーの刺激的な回想まで、幅広いものを揃えているのは、その日、その時の読者の気分に合わせたものを提供したいためだ。

Singles Classic

Top-Kindle-Singles-updated-daily-preview-540x540過去の雑誌掲載記事の中から、時代を超えたフィクション/ノン・フィクション名品をデジタルで蘇らせるというコンセプトの Kindle Singles Classics (2017-)は、グロリア・スタイネムの記念碑的エッセイやカート・ヴォネガットの名作短編などを出してきた。今後はさらに分野を広げて、とくに現在起きていることを理解する上で役立つと思われるものを取上げたい。

依頼原稿中心に

編集部からの依頼でない持込み原稿は昨年から受付を停止しているが、それは膨大な数に上ったためだ。編集部はインディーズライターのファンからの声に耳を傾けている。そしてファンの多い自主出版作家(たとえば Stephanie Bond、Mark Dawson、John Braddockなど)の作品を出版している。インディーズの方には、メールで作品紹介ページへのリンクを貼って編集部に知らせて頂きたい。

Kindle in Motion

最新のタイトルには "In Motion" の表示がついたKindle in Motionフォーマットの動的コンテンツが目立ってきたが、これは作品本位で考えられているもので、挿絵、アニメ、動画が必要な場合には、ツールキットで対応するようにしている。ディーン・クーンツの "Ricochet Joe"、ジョディ・ピクールの "Mermaid"などでこれを使っている。

出版社との提携を拡大

KS-280x150ショートコンテンツの価値を発揮する場を求める出版社とは直接話し合っている。J.K.ローリングのポッター・シリーズの "Short Stories from Hogwarts" が一例だ。ベストセラー作家がベストセラー短編作家になることに何の不思議もない。読者も1時間足らずで読める作品を求めている。 (鎌田、03/08/2018)

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